社労士試験各科目の学習時間目安【配点が高い科目は得意科目にせよ】

社労士-各科目学習時間目安社会保険労務士

社会保険労務士試験は約1000時間もの学習が必要と言われています。

様々な法律から構成される本試験において、それぞれの法律にどの程度の時間をかけるのが適切か、悩まれている方も多いと思います。

本記事では、社労士試験の出題形式や配点から、各科目の学習時間の目安を定めています。

もちろん学習開始時点でのご自身の前提知識にもよりますが参考にしてください。

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社労士試験の出題形式

社労士試験は、7つの法律および労働一般・社保一般の科目が、『選択式』と『択一式』の2つの形式で出題されます。

時間問題数配点
選択式  80分
(午前)
8大問
(40小問)
40点
(1大問あたり  5点)
択一式210分
(午後)
7大問
(70小問)
70点
(1大問あたり10点)

選択式』と『択一式』それぞれの出題科目および科目ごとの出題数は以下のようになります。

社労士試験科目と問題数

選択式

選択式』は、5つの空欄に入る適切な語句を、20つの選択肢の中から1つ解答する出題形式です。

80分(1時間20分)ある試験で、択一式と異なり時間の不足という状況にはなりませんが、足切り条件が択一式よりシビアなため、受験者をより悩ませる形式となります。

社労士試験科目と問題数(選択式)

択一式

択一式』は、5つの選択肢の中から「正しいもの」、あるいは「誤っているもの」を1つ(または2つの組み合わせ)を解答する出題形式です。

210分(3時間30分)という、資格試験の中でも極めて長い試験時間で大量の問題を解かなければならない、知識・スピード・体力全てが問われる形式です。

社労士試験科目と問題数(択一式)

試験の合格基準

社労士試験の合格基準は、下記のようになっており、『選択式』と『択一式』双方で、一科目も足切り条件にかからない上で、総得点で合格ラインを満たす必要があります。

合格ライン足切り条件
選択式総得点一定以上(7割弱得点6割未満の大問あり
択一式総得点一定以上(7割弱得点4割未満の大問あり

合格ラインは毎年変動しますが、過去実績から、7割得点できれば確実といえます。

足切り条件は、選択式が6割未満(1大問あたり、5問中3問正解に達せず)、択一式が4割未満(1大問あたり、10問中4問正解に達せず)の大問が1科目でもあることになります。

足切り条件には、救済措置(各科目の、全受験者の正答率などを勘案した基準点補正)がある場合があります。ただし、救済措置は毎年あるとは限らないため過度な期待は禁物です。
上記のように、社労士試験に合格するためには、少なくとも『苦手科目をつくらない』、ということが大命題となります。
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社労士試験各科目の学習時間目安

前述のように、社労士試験は7つの法律および労働一般・社保一般の科目から構成される試験ですが、各法律(+労働一般・社保一般)の全体に占める割合は均一ではありません。

各科目の全体に占める割合

各法律(+労働一般・社保一般)の、選択式と択一式の問題数から算出する、社労士試験全体に占める割合は以下のようになります。

選択式択一式全体に占める割合
労働基準法3問7問9%
安衛法2問3問5%
労災保険法5問7問11%
雇用保険法5問7問11%
徴収法0問6問4%
労働一般5問5問10%
社保一般5問5問10%
健康保険法5問10問13%
厚生年金保険法5問10問13%
国民年金法5問10問13%
全体40問70問100%

上記からわかるように、「健康保険法」、「厚生年金法」、「国民年金法」の社会保険科目は、それぞれ全体の13%と、最重要科目であることがわかります。

一方、「安衛法」や「徴収法」は全体の4~5%、かつ他法律と合わせて大問扱いとなるなど、他科目と比較すると重要度は低いことがわかります(当然ながら学習不要というわけではありません)。

社労士試験の合格基準の特性上、『各科目の学習時間』を見積もる際にはこの「全体に占める割合」を参考にするとよいでしょう。

たとえば、1000時間の総学習時間を見積もるのであれば、「健康保険法」の学習には1000時間 × 13% = 130時間を目安としましょう。

ただし、法律・科目によってはより割合を上げるべき、あるいは下げてもよい科目がありますので下記に紹介します。

労働基準法

労働基準法は、試験全体に占める割合は9%ですが、学習時間の割合を上げるべき科目です。

理由は、労働基準法は、社労士試験の核となる科目であり、かつ試験合格後に最も活用するためです。

特に、『就業規則の策定コンサルティング』は、新米社労士の一番最初の仕事にもなり易いですので、受験勉強の時期から意識して得意科目にしていきましょう。

厚生年金保険法・国民年金法

厚生年金保険法・国民年金法は、試験全体に占める割合はそれぞれ13%ですが、学習時間の割合を上げるべき科目です。

理由は、年金科目が社労士試験の最大のウェートを占めるためです。厚生年金保険法と国民年金法に加え、社保一般の年金法律(確定拠出年金法や確定給付企業年金法)も含めると試験全体の約3割を占めます。

年金科目を得意にできるか否かが、社労士試験の合否に直結するといっても過言ではありませんので、学習時間の割合を上げ得意科目にしていきましょう。

労働一般・社保一般

労働一般・社保一般は、試験全体に占める割合はそれぞれ10%ですが、学習時間は下げてもよい科目です(重要度が低い科目というわけではありません)。

労働一般および社保一般は、合わせて試験全体の2割を占め、かつ試験範囲は複数法律・項目から構成されるため膨大ですが、出題される法律・項目は下記の3種類が主となりますので、的を絞った学習を行うことができます。

  1. 定番の法律からの出題
  2. 法改正がある法律からの出題
  3. 労働統計や白書からの出題

定番の法律」とはそれぞれ以下の法律を指します。

  • 労働一般
    • 労働契約法
    • 労働組合法
  • 社保一般
    • 社会保険労務士法
    • 高齢者医療確保法
    • 介護保険法
    • 児童手当法
    • 国民年金保険法

これらの法律は下記に概要をまとめていますので、おさえておきましょう。

上記に当てはまらない法律を勉強しなくてよいわけではありませんが、深追いは禁物です。

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まとめ

本記事では、社労士試験の出題形式や配点から、各科目の学習時間の目安を紹介しました。

この学習時間は、ご自身の前提知識にもよりますが参考にしてください。

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