社会保険労務士試験では、『横断整理』が合格の大きなカギとなります。
『横断整理』とは、社会保険労務士試験の各科目に存在する、「適用要件」や「支給条件」、「保険料率」など共通の項目に対する試験対応です。横断整理項目は混乱しやすい=試験で問われやすい項目ですのでまさに試験合格の合否のカギを握るポイントです。
横断整理を意識して学習し他の受験生に差をつけましょう。
横断整理が試験合否を分けるカギ!
冒頭の通り、社会保険労務士試験では、各科目に存在する共通項目に対する対応である『横断整理』が比喩でなく試験合否を分けるカギとなります。
理由は、社会保険労務士試験は法律の試験という性質上、その「適用要件」や「支給要件」、「保険料率」など法律として重要な項目が問われることになるためです。
しかし、これらの要件は各法律に必須な項目として受験者にとっては混乱を招く悩みのタネとなるものとなります。実際に横断項目が苦手という受験者は多いですが、裏を返せば横断整理を得意とすることができれば試験合格に大きく近づくことできます。
横断整理を意識しない学習のデメリット
社会保険労務士試験は『労働基準法』、『健康保険法』などの法律が試験科目となります。
『横断項目』という試験科目は存在しないため、一般の資格試験のように試験科目の学習テキスト+過去問という学習方法をとっていると見落としがちな観点です。
法律からなる各試験科目にこれらの横断科目がちりばめられ出題されるため、理論上は各試験科目ごとに覚えるべき横断項目を覚えていれば何の問題もないのですが、これが難しいのです。
法律の各制度に対する請求や給付の時効に関する制度です。社労士の学習をすでに進めている方であればわかるかと思いますが、時効制度は各科目の最後に、さほど重要度を感じさせずに参考程度に説明がある項目です。
しかし、この時効制度は必ず出題されるといってよいほど重要といえる横断項目、かつ実務でも重要となる観点です。
この重要な時効制度は科目別に学習を進めていると、「これは2年、これは5年?…あれ?この前勉強したあの法律の給付の時効は何年だったっけ…?」と確実に頭が混乱します。
横断整理のメリット
横断整理を意識しない学習のデメリットについてご理解いただけたかと思います。
翻って、横断整理のメリットをご紹介したいと思います。
「時効制度」の事例から理解するメリット
先ほど同様、『時効制度』の例を紹介します。
各科目に存在する横断項目をひとつの表に整理すると下記の表のようになります。

上記の表に整理するだけで、社会保険労務士試験の試験項目となる法律において、『時効制度には5年と2年しかない』という最重要な観点に気づくことができます。
さらに、共通項目を整理していくと、下記の表のように整理を進めることができます。
すなわち試験対策としては下記の表だけ覚えておけば時効制度問題に対応することができるわけです。

どうでしょうか?各科目を縦軸で学習しただけでは上記の整理に至るのは不可能です。横断整理という観点を意識して初めてたどり着ける結論です。
時効制度の例一つとっても横断整理の重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。
メリットを最大化する学習タイミング
横軸整理のメリットを最大化する学習タイミングはいつでしょうか。結論は以下です。
- 個別の科目学習に入る前
- 個別の科目学習を一通り終えた後
- 試験本番直前
個別の科目学習に入る前のタイミングでは、何の項目が横断整理の対象なのかを把握することが重要です。この時点ではそれぞれの固有名詞(○○給付など)が何を意味するか分からないため、厳密に覚える必要はないです。
このタイミングでの学習については、下記で詳細に説明しています。

個別の科目学習を一通り終えた後のタイミングでは、科目学習を終えたためそれぞれの固有名詞が理解できているはずです。それぞれの項目を一つの表に一覧化することで比較学習ができます。
その後は、横断整理項目は試験本番直前まで何度も何度も繰り返し思い出すことが重要です。
横断整理にオススメのテキスト
「みんなが欲しかった!社労士全科目横断総まとめ」など社会保険労務士試験の「横断整理」に特化したテキストは複数あります。
まとめ
本記事でご紹介したように、社会保険労務士試験においては「横断整理」の合格が合否に直結します。時効制度の事例のように、横断整理を極めると試験や実務に向けた理解が一気に進みます。
専用のテキストを使用してぜひ効果的に横断整理の学習を進めていきましょう!
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