ビジネスの世界において、マネジメントスキルは中堅層以上のビジネスパーソンとして持っておきたい必須スキルです。
それにもかかわらず英語やプログラミングのように、体系的にマネジメントを学ぶ機会はなかなかないのではないでしょうか。
企業でマネジメントの役割を担うことになった、また近くマネジメントへのステップアップを狙うためにマネジメントに関する知識や心構えを学びたい。そんなあなたにオススメのビジネスマネジャー検定試験の徹底攻略を紹介します。
ビジネスマネジャー試験について理解し、興味がある方は中小企業診断士試験へのステップアップなども考えてみてはいかがでしょうか。
本記事では中小企業診断士試験とのリンクについても紹介します。
ビジネスマネジャー検定試験ついて
ビジネスマネジャー検定は、企業の要となるマネジャーの土台づくりとして、マネジャーとしての活躍が期待されるビジネスパーソンに対して「あらゆるマネジャーが共通して身に着けておくべき重要な基礎知識」を網羅的に問うための試験となっています。
受験時の所感(勉強時間など)
勉強費用:約11,600円 (受験料+公式テキスト+公式問題集)
受験理由:マネジメントの立場になり、経営や組織に関する「知識」は最低限あったものの、マネジメントとして必要な「心構え」を学びたかった
受験感想:資格学習をしていると試験に合格するための勉強になりがちだが、内部のコミュニケーションの考え方や外部との交渉テクニックなど実務を意識した勉強ができたため、勉強自体を楽しめた
試験概要(試験日程、合格率など)
試験名称 | ビジネスマネジャー検定試験 |
試験方式 | 会場受験(年2回、6~8月および10~12月)、IBT受験 |
受験料 | 6,600円(税込) |
合格率 | 約45% |
時間 | 120分 |
出題方式 | 約40問(選択問題のみ)(正答率70%が合格ライン) |
商工会議所主催の検定試験としては受験料や合格率などスタンダードな試験です。
2015年開始と他の商工会議所主催検定試験と比較し歴史が浅いため、今後難化していくかもしれません(2019年度合格率 約55%→2020年度合格率45%)。
試験範囲
ビジネスマネジャー検定の試験範囲は以下となります。
- マネジャーの役割と心構え
- 人と組織のマネジメント
- マネジャー自身のマネジメント
- コミュニケーションの重要性
- 部下のマネジメント
- 上司・外部とのコミュニケーション
- 人材の育成と人事考課
- チームのマネジメントと企業組織論
- 業務のマネジメント
- 経営企画・事業計画の策定
- マネジャーに求められる業務のマネジメント
- 成果の検証と問題発見およびその解決
- 経営にかかわる基礎知識
- リスクのマネジメント
- リスクマネジメントの考え方とその実践
- 職場におけるリスクマネジメント
- 業務にかかわるリスクマネジメント
- 組織にかかわるリスクマネジメント
- 自己・災害時にかかわるリスクマネジメント
大きくは「人・組織」、「業務」、「リスク」の3つのカテゴリーに関するマネジメントを学びます。
中小企業診断士試験の学習内容ともリンク
ビジネスマネジャー検定試験は、マネジャーとしての活躍が期待されるビジネスパーソンに向けた試験だけあり、中小企業診断士試験の学習内容とも一部リンクしています。
そのため、中小企業診断士試験を受験する途中のマイルストーンとしてもよいですし、ビジネスマネジャー検定を受験、手ごたえを感じてから中小企業診断士へ移行するなどのプランもご検討ください。
具体的には、ビジネスマネジャー検定試験の試験範囲のうち以下が中小企業診断士試験の学習内容とリンクします。(ただし、いずれも理解すべき深さとしては中小企業診断士試験の方が深くなります)
企業経営理論とのリンク
中小企業診断士の企業経営理論科目の戦略論、組織論がそれぞれ、ビジネスマネジャー検定の下記試験範囲にリンクしています(試験範囲より、リンクしている項目のみ抜粋)。
ご覧になられるとお分かりのように、戦略論、組織論についてかなりの試験範囲のリンクがあります。一部マーケティング論も出題されますが、ビジネスマネジャー検定ではメインテーマではありません。
- 人と組織のマネジメント
- 部下のマネジメント
- リーダーシップ理論
- モチベーション理論
- 人材の育成と人事考課
- 人材育成手法
- 人事考課
- チームのマネジメントと企業組織論
- 企業組織論
- 部下のマネジメント
- 業務のマネジメント
- 経営企画・事業計画の策定
- 分析フレームワーク(3C, SWOT, PESTなど)
- 経営企画・事業計画の策定
- リスクのマネジメント
- リスクマネジメントの考え方とその実践
- リスクマネジメント(BCP, コンプライアンス, CSRなど)
- 職場におけるリスクマネジメント
- 労働基準法など労働関係法令
- リスクマネジメントの考え方とその実践
財務・会計とのリンク
中小企業診断士の財務・会計科目の会計分野がビジネスマネジャー検定の下記試験範囲にリンクしています(試験範囲より、リンクしている項目のみ抜粋)。
- 業務のマネジメント
- 成果の検証と問題発見およびその解決
- 財務諸表
- 財務分析
- 損益分岐点分析
- 成果の検証と問題発見およびその解決
他科目とのリンク
ビジネスマネジャー検定では、中小企業診断士試験の企業経営理論および財務・会計だけでなく、運営管理や企業法務との試験範囲も一部重複しています。
しかし、重複範囲は一部のため企業経営理論や財務・会計のようにリンクしている、という程ではありません。
勉強方法 (テキスト、問題集、過去問)
ビジネスマネジャー検定は、前提として試験範囲に関する知識をどの程度有しているかで合格に必要な勉強時間が変わってきます。
理由は、ビジネスマネジャー検定でメインの学習本となる公式テキストでは、会計分野の説明が初学者向けには不十分なためです。
その前提で、本試験の基本的な進め方は後述の通りテキストを「ビジネスマネジャー検定試験公式テキスト」、問題集(過去問)を「ビジネスマネジャー検定試験公式問題集」の一択と言えます。
ビジネスマネジャー検定の基本的な進め方は以下となります。
- 公式テキストを一周する (20時間)
- 公式問題集を解く (20時間)
ビジネスマネジャー検定試験公式テキスト・公式問題集
商工会議所より公式テキスト(ビジネスマネジャー検定試験公式テキスト)および過去問3回分の問題集(ビジネスマネジャー検定試験公式問題集)が出版されています。
公式問題集の解説が充実していますので、テキストをさっと1周読み進めたら、問題集を解く学習を2周程度こなせば十分合格圏に近づくことができます。
ポイントは、本番で解く順番や捨てる問題を、問題集を解いていく中で把握しておくことです。
具体的には、損益分岐点分析などの計算を要する問題は解答に時間がかかります。また労働基準法など労働関係法令は他の問題と比較するとかなり難易度高めです。自信がない方は捨て問としてもよいかもしれません(念のため、実務ではとても重要なので一通りの学習はしておきましょう)。
この2ステップで試験勉強はバッチリです!
受験時の注意点
受験時には以下の点をご注意ください。
まとめ
本記事で紹介した通り、ビジネスマネージャ検定は勉強法が確立しており、短い学習時間でも十分合格できる試験です。
また前述の通り、一般的に資格学習をしていると試験に合格するための勉強になりがちですが、実務を意識した勉強ができるため、勉強自体を楽しめる資格試験でもあります。
ぜひ楽しみながら学習してビジネスマネージャ検定に合格しましょう!
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