TOEICやFP検定と同レベルで日本有数の有名資格試験である簿記2級、全ビジネスパーソンが一度は資格取得を考えたことがあるのではないでしょうか。
とはいえ本試験は決して簡単に合格できる試験ではありません。
簿記2級について正しく理解し、最短距離での試験合格を目指しましょう。
日商簿記検定2級について
日商簿記検定2級、通称簿記2級は、「高度な商業簿記・工業簿記を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析」を行う知識・能力を問う試験です。
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つです。
受験時の所感(勉強時間など)
勉強費用:約11,000円 (受験料+簿記3級テキスト+商業簿記2級テキスト+工業簿記2級テキスト+過去問題集1冊)
受験理由:社会人の基礎スキルとして、一般的な会計スキルを身につけたかった。
受験感想:簿記というと社会人が目指す資格試験の筆頭のイメージだったが、他資格試験と比較しても難しく感じた。他資格試験と異なり選択式ではない点、仕事で会計経験がなかったため身近ではなかった点が大きかったように思う。
試験概要(試験日程、合格率など)
試験名称 | 日商簿記検定試験2級 |
試験方式 | 会場受験(6月、11月、2月) |
受験料 | 4,720円(非課税) |
合格率 | 約25% |
時間 | 120分 |
出題方式 | 記述式、正答率70% |
合格率は約25%としていますが、回によって合格率が大きく異なることが特徴です。
高い回は50%弱の合格率の回もあれば、一桁%だった回もあります。若干の運も必要ですね。
試験時間(90分)や出題方式など会場受験と異なります。
試験範囲
日商簿記検定2級の試験範囲は以下となります。
- 商業簿記…購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算する技能
- 工業簿記…企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能
詳細の出題範囲は以下に記載があります。
勉強方法 (テキスト、問題集、過去問)
日商簿記検定2級は、簿記の知識が全くない状態から勉強を始めるのであれば、下記のプロセスが有効です。
- 3級簿記テキスト&問題集を一周 (50時間)
- 2級商業簿記テキスト&問題集を一周 (75時間)
- 2級工業簿記テキスト&問題集を一周 (75時間)
- 過去問題集を二周解く (50時間)
3級簿記テキスト&問題集を一周
簿記の知識が全くない方は、まずは3級の学習から始めましょう。
簿記を「少し知っている」程度であれば思い切って3級から導入することをオススメします。
本試験においては前述の通り、テキスト間の差はないためご自身の好みで選ばれるとよいと思います。
テキストはお好みでよいですが、章ごとに「テキストを読んで問題を解く」サイクルを回す勉強法が有効であるため、テキストと問題集が一体となっているものがオススメです。
私が使用したテキストは「スッキリわかる 日商簿記3級」です。
3級の知識が曖昧なまま2級に進んでも立ち止まってしまいます。
2級商業簿記テキスト&問題集を一周
ようやく2級の勉強に突入!「商業簿記」と「工業簿記」どちらから始めるべきか…。
特段の理由がない限り商業簿記から始めましょう。
3級の簿記は商業簿記であり、工業簿記は含まれません。3級で学んだ商業簿記の基礎をベースに2級の商業簿記を学んだ方が効率が良いためです。
テキストはお好みでよいですが、3級と2級商業簿記、2級工業簿記で同じシリーズに統一したほうがよいです。
私が使用したテキストは「スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記」です。
問題集や過去問を解きながら実践で理解していきましょう。
2級工業簿記テキスト&問題集を一周
3級と2級の商業簿記が終わったら、「工業簿記」へ突入です。
私が使用したテキストは「スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記」です。
しかし、工業簿記は簿記2級では得点源になりますので、苦手意識を持ったまま学習を進めないようにご注意ください。
過去問題集を二周解く
過去問題集のオススメは「TAC直前予想模試 日商簿記2級」です。
簿記2級は、特に商業簿記では同じ問題が出題されることが無いため、TACが作成した予想問題は大変ありがたい存在です。
過去問を通して解くことで下記のような気付きを得ることができます。
- 120分で全て解ききれない
- 勘定科目の正確な名称が思い出せない(書けない)
- 同じところで計算ミスをしてしまう
この時点で間違えることは全く問題ありません。
過去問で最も重要なのは、「自身の間違え方のクセを理解し、対策を解答プロセスとして盛り込む」ことです。
このステップで試験勉強はバッチリです!
【重要】試験での得点目標
日商簿記検定2級では全5題(うち商業簿記が3題(60点)、工業簿記が2題(40点))、下記の論点で出題されます。
商業簿記 (配点 60点) | 第1問 | 仕訳 |
第2問 | 伝票会計 個別論点 | |
第3問 | 財務諸表作成 精算表作成 | |
工業簿記 (配点 40点) | 第4問 | 費目別計算 個別原価計算・本社工場会計・標準原価計算等 |
第5問 | 総合原価計算・標準原価計算・直接原価計算等 |
合格基準は70点以上の得点ですが、試験での得点目標は商業簿記40点/60点、工業簿記35点/40点としましょう。
一方、商業簿記は出題パターンが非常に幅広いため確実な得点源の確保が難しいです。
しいて言えば、第3問(財務諸表や精算表の作成)を得意にしておきましょう。
総合問題のため苦手意識が強い方が多いですが、問われる観点は限られているため対策すれば十分得点源にできます。
受験時の注意点
受験時には以下の点をご注意ください。
まとめ
簿記2級は、本記事で紹介した通り、近道はないですがしっかりとテキストや問題集をこなすことで十分合格できる試験です。
とはいえ合格率の波が大きい試験のため、一度落ちた場合でもあまり気にする必要はありません。
会計スキルを身につけることは、キャリアステップアップにも大きくつながり、また中小企業診断士を始めとした他の経営関連資格のベースにもなります。
ぜひ簿記2級に挑戦してみましょう!
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