TOEIC Part3は、TOEIC 7パート全200問のうち39問。リスニングの4割弱を占める最重要パートです。
Part1やPart2と比較して実力や慣れがものをいいます。また、リスニングパートではありますがリーディング(速読)スキルも必要な、総合力を問われるパートです。
Part3について正しく理解・攻略し、スコアアップに繋げましょう!
Part3 出題形式
出題タイプ | 会話問題 |
出題数 | 39問 (会話あたり3問×13セット) |
時間 | 約17分 (1問当たり約25秒) |
内容 | 2~3人による会話と、会話に関する設問が3問流れる。試験用紙には設問、図表および選択肢が印刷されており、設問の回答として最も適切な選択肢を1つ選択する |
Part3は出題数39問と、リスニングパートの4パート中問題数が最も多いパートとなるため一番力を入れて学習したいパートです。
また会話13セットの中にも通常の2人会話に加え、3人会話のセットが1~2セット、グラフィック問題が2~3セット出題されるため注意が必要。特に3人会話のセットは上級者向けです。
本パートはTOEICの実力によって時間の使い方が異なることがポイントです。現時点でのご自身にあった時間の使い方をすることがスコアの最大化につながります。なお、TOEIC900を目指す方であれば、本パートは39問中35問正解を目指したいです。
Part3 攻略の基本【聞きながら解く】
先読みが命
Part3およびPart4では、『先読み』が命と言われています。その背景として、Part3やPart4の重要な考え方として、純粋なリスニング力だけでなく、加えてリーディング力が問われるということです。
- 会話文を聴く(+解答する)リスニング
- 設問や選択肢を読むリーディング
言うまでもなく最重要は1の『会話文を聴く(+解答する)リスニング』ですが、1に時間や集中力を向けられるように2の『設問や選択肢を読むリーディング』をできるだけ効率的に行う必要となります。
このリーディング作業が『先読み』となります。
ディレクション・設問・回答時間といった、リスニング以外の時間を最大限活用して次の設問や選択肢を読み込みましょう。それにより、最も重要な会話文をリスニングおよび解答に集中できます。
先読みの時間の使い方
理想的な先読みの時間の使い方は以下です。
基本方針として、会話文が流れる約35秒の間、リスニングに集中して会話文を聴く+解答する、それ以外の時間を設問+選択肢の読み込み(リーディング)に使うリズムを最後まで崩さず続けましょう。(例外としてディレクションは50秒程度あるため、約20秒でグラフィック問題を先に目を通しておきたい)
後述しますが、設問+選択肢をいかに読み込めるかで、会話文を聴く+解答の最適化につながります。
効率的な先読みのテクニック
例えば下記の設問および選択肢が出題された際、真面目に全文を読み込む必要はなく、また読んではいけません。時間が無い上に、記憶できないからです。
本出題の例であれば下記の○で囲んだ箇所だけを目に留める読み方が有効です。
重要なのは、以下の2点です。以下をおさえることで、会話のリスニング中、ポイントを絞ったリスニングができます。
- 設問の主語は誰か?
- 選択肢の動詞と目的語は何か?
設問の主語をおさえることで、会話中で誰の発言に注目すればよいかを把握できます。
Part3では2人の会話の場合必ず男女で会話が交わされます。また、Part3の設問は主語の観点で見ると9割以上下記のパターンに分類できます(例外は「次に何が起こると予想されるか」など)。
- man (男性) に関する問題
- woman (女性) に関する問題
- speakers (両方) に関する問題
基本的にman (男性) に関しての発言はman (男性) 、woman (女性) に関しての発言はwoman (女性) が行いますので、設問ごとに誰の発言に注目するかが重要ということです。
(3人の会話になると男性・男性・女性などになり、名前(固有名詞)を把握する必要があるのでやや上級者向けとなります)
また、選択肢の動詞と目的語おさえることで主語(man/woman/speakers)がとりうる/とった行動が絞られます。行動が絞られたうえで会話を聴くのとそれ以外では大きな差が生まれます。
そのためPart3やPart4で行う「先読み」はTOEIC全体のスコアアップにもつながる最重要なテクニックです。
Part3中にマークシートを塗らない
と思われるかもしれませんが、「Part3やPart4中にマークシートを塗らない」のはPart3・Part4のスコアアップのためにとても重要なテクニックです。
おそらくほとんどの方が各会話パートごとにマークシートを塗られているのではないでしょうか。実際に経験された方は以下のことを感じていると思います。
- 塗りつぶしに集中すると先読みができない
- 問題用紙とマークシートをいったりきたりすると目線移動が多くミスをおかしやすい
これはただでさえ時間に追われているPart3において致命的です。ではどうすればよいか。
Part3終了後~Part4開始前、およびPart4終了後に全マークを塗りつぶせばOK
リーディングを解く時間が減るのはもったいないと考える方もおられるかもしれませんが、マークを塗る作業は1分程度で完了します。
リーディング時間が1分(2問程度)短くなるマイナスより、リスニングのPart3・Part4の69問に集中できるプラスの方が圧倒的に大きいです。
設問が「森タイプ」か「木タイプ」どちらか意識
Part3・Part4の設問を大きく分類すると、全体について問われる「森タイプ」の設問と、個別の情報について問われる「木タイプ」の2タイプに分かれます。
森タイプの設問
・Where most likely are the speakers?
例えば場所を問う問題であれば、「We are at a restaurant.」のようにストレートな表現はしませんが、会話全体で「menu」や「chef」などの会話から推測します。
木タイプの設問
・What will the man probably do next?
木タイプの設問の特徴は、ほぼ設問の順番と会話の時系列が一致すること、一部の会話で解答可能であることです。逆に言うと該当する箇所を聞き逃すと解答できないため、木タイプの設問は集中して聴く必要があります。その際、前述の設問の主語に気をつけて聴くことで効率的に解答ができます。
Part1やPart2では類語が聴こえると誤答の可能性が高いのですが、Part3やPart4では類語が聴こえたら正答と考えてよいです。理由は、30秒程度の会話文でひっかけに誘導するような2つ以上のトピックを扱えないからです。
レベルに応じて捨てる問題を決めておく
Part3やPart4は、中途半端に初心者~中級者の方が全問をまともに解こうとすると、本来解ける問題すら捨ててしまうことにもなりかねません。
一文章につき初心者であれば1問、中級者であれば2問ずつに絞って確実に解いていく戦略はかなりオススメです。1、2問を確実に正解し、残りの問題を塗り絵したとしても25%、1/4の確率で正解できるわけです。
自信があるTOEIC上級者以外は捨てるのも作戦の一つです。問題の捨て方については以下の記事をご参照ください。

Part3 勉強法と注意点
Part3は、Part4と合わせてTOEIC学習の中でも毎日の習慣にしたいパートです。
会話・設問・選択肢のパターンを覚える
Part3は可能な限り問題に多くあたることが重要です。問題に多く当たると「会話」・「設問」・「選択肢」、特に「設問」はパターンが限られていることに気づきます。パターンを頭に入れておくことで実際の試験でも余裕をもって解答にあたることができます。
このようなパターンは、「TOEICテスト 直前の技術」のようなテクニック本で覚えていくとよいでしょう。
初級者・中級者は日本語の回答から学習に入るべし
Part3では、下記の記事のように、学習の導入として問題集の回答の日本語を徹底的に分析する学習法が有効です。

日本語で学習することで、Part3で問われているパターンを容易に身に着けることができます。
まとめ
ここまで述べた通り、Part3はTOEIC7パートの中でも最重要パートです。逆に言えばPart3を攻略すればTOEIC攻略にかなり近づいたと言えます。 ぜひPart3を攻略し、TOEICのスコアアップに繋げましょう!
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