データサイエンスの勉強を進めていく中で、その中核を担うデータサイエンス力を伸ばすためぜひ身に着けたい数学力、特に統計スキル。
この分野を勉強するのであればそのロードマップとして統計学に関する資格を取得したい!そんなあなたに統計検定の徹底攻略を紹介します。
統計検定2級について
統計検定は、統計に関する知識や活用力を評価する試験、その中でも統計検定2級は「大学における統計学分野の教育課程編成上の参照基準に示されている大学基礎科目レベルの統計学の知識の習得度と活用のための理解度を問う」ためのものとして、社会人が統計検定を受験する際のマイルストーンとなっています。
なお、3級は高校レベル、4級は中学レベルでチャレンジできる統計入門と謳っていることから、社会人の方は直接統計検定2級を狙いたいところです。
受験時の所感(勉強時間など)
勉強費用:約8,800円 (CBT受験料+公式問題集)
受験理由:データサイエンスを学ぶ過程で、データサイエンススキルの基盤としての統計学の学習マイルストーンとした。
受験感想:統計学はデータを扱う者にとって基盤となる学問であるため本試験を通して体系立てて必要な考え方を学べたメリットはとても大きかった。また3級では物足りなく、準1級レベルは現状では必要ないとの判断から適切な難易度であった。
試験概要(試験日程、合格率など)
試験名称 | 統計検定2級 |
試験方式 | 会場(6月、11月)およびCBT(Computer Based Testing) |
受験料 | 会場:5,000円(税込)、CBT:7,000円(税込) |
合格率 | 約40% |
時間 | 90分 |
出題方式 | 35問(選択問題のみ) (会場:正答率70%、CBT:正答率60%が合格ライン) |
ポイントは会場受験、CBT受験の2つの受験方法があり、条件が若干異なっていることですね。両社で難易度が変わらないはずですが、ご自身の学習計画等に沿って受験方法を選択されるとよいと思います。
会場受験 or CBT受験?
前述の通り統計検定2級は会場受験、CBT受験の2つの受験方法があります。統計検定2級の受験を決めたらまずどちらで受験するかを選択する必要があります。
受験料でいえば会場受験、合格ラインでいえばCBT受験にメリットがありますが、結論としては、ご自身の学習スケジュール上6月や11月受験にマッチするのであれば会場受験、それ以外の場合はCBT受験をオススメします。
理由は試験問題の傾向です。統計検定では会場受験とCBT受験では出題される問題が異なりますが、試験母体が出版している統計検定の公式問題集(過去問)は会場受験のものとなるためです。
CBT受験はいつでも受験可能という試験性質上、問題や解説が公開されていません。公式問題集と若干傾向が異なることから、やや対策に不安が残る傾向があります。
とはいえどちらの受験であっても合否をひっくり返すほどの要因にはなりませんので、最終的にはご自身の学習スケジュールに合わせるとよいです。
試験範囲
統計検定の試験範囲は以下となります(一部抜粋)。
- データ分析(各種グラフ、平均値・中央値・最頻値、期待値・分散・標準偏差、相関係数・共分散)
- データ収集(標本抽出法)
- 確率(ベイズの定理、ベルヌーイ試行・二項分布・ポアソン分布)
- 標本(標準正規分布、t分布、カイ二乗分布、F分布)
- 推定(信頼区間、区間推定)
- 検定(帰無仮説、対立仮説、第一種・第二種過誤)
- 回帰分析(単回帰・重回帰)
- 統計ソフトウェアの活用
※詳細は試験母体より以下の試験範囲が定められていますので、興味ある方はご参照ください。
高校数学を学ばれた方であれば、データ分析分野についてはキーワードを知っているものの、標本や推定、検定など聞きなれないキーワードも多いのではないでしょうか。この点については統計学初心者であればほとんどの方が同じスタートラインですのでご安心ください。
また試験範囲にある「統計ソフトウェアの活用」ではRという統計ツールを活用した統計分析の問題ですが、あくまでメインは統計分析(回帰分析)ですのでRを触ったことが無くても試験対策としては問題ありません。
試験勉強前に統計学を学びたい方へ
前述の試験範囲を確認し、本格的に統計検定の試験勉強を始める前に統計学そのものを学びたい…と思われた方向けに役に立つ本を紹介します。
マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説
しかし、ある程度数学に自信がある方はパスしても問題ありません。
完全独習 統計学入門
統計を、理屈をおさえた上で使いこなせるようになりたい方はぜひ読んでいただきたい一冊です。
統計学が最強の学問である
皆さんの立場で選択いただければと思いますが、統計検定を意識するのであれば実践編がオススメです。
「統計学が最強の学問である」については、試験合格後、実際に統計学をビジネスに応用したい方にも読んでいただきたい本となります。
私の場合は、試験前、統計学理解のきっかけとして「マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説」→「完全独習 統計学入門」、試験後に「統計学が最強の学問である」の実践編を読みました。
勉強方法 (テキスト、問題集、過去問)
統計検定2級は、後述の通りテキストを「統計WEB」、問題集を「統計検定 2級 公式問題集」で学ぶのがコストパフォーマンスを考慮して一択と言えます。統計検定2級の基本的な進め方は以下となります。
- 統計WEBを一周する (20時間)
- 公式問題集を解く (20時間)
統計WEB
統計学を初歩から学びたい方向けに「統計WEB」という最強のWebサイトがあります。もちろん無料で学習でき、かつ統計検定2級の試験範囲ともマッチするため、統計検定2級の全受験者が本Webサイトを活用しているのではないでしょうか。
まずは「統計WEB」を一通り読み進めてみてください。
この段階でははひとつひとつを完全に理解する必要はありません。楽しみながら読み進めていくと、いつのまにか前述の試験範囲のほとんどを学習することができます。
むしろ統計検定合格後、理論として理解し定着させたい方向けの内容かと思います。
統計検定2級公式問題集
「統計検定 2級 公式問題集」が本試験唯一の公式問題集(過去問3年・6回分)です。解説も充実していますので本書の過去問6回分を繰り返し理解できるまで解き続けるだけで、統計検定2級合格に近づくことができます。
ポイントは過去問を繰り返すことにより過去問の理解をするとともに、捨て問を把握することです。
解説を何度読んでも理解が難しい問題は必ず一定の割合で存在します。そういった問題は本番でまず正解できないですし、7割(または6割)とれば合格の試験において必ず追いかけなければいけない問題ではありませんので、思い切って捨てましょう。
この2ステップで試験勉強はバッチリです!
受験時の注意点
受験時には以下の点をご注意ください。
- 試験では計算があるため電卓必須!。忘れた場合電卓の貸し出しは行っていないので要注意です。
- CBT受験の場合、基本的には1問目から順に出題され、解答する形式となるため(後で見直しは可能)、CBT形式に慣れていない方は対応が難しい(得意・容易な問題から解いていく作戦が使えない)
まとめ
本記事で紹介した通り、統計検定2級は勉強法が確立しており、合格率の割に合格しやすい試験です。
ここで学んだことはデータサイエンスの勉強を進めていくうえで最後まであなたの力となります。学習最初のマイルストーンとしてぜひ統計検定2級に合格しましょう!
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