中小企業診断士に興味を持ち学習を始めようと考えている方は、学習を始める前にぜひ本記事をご一読ください。
中小企業診断士試験に向けた学習は長い道のりとなります。ちまたでは一次試験でも約1,000時間の学習が必要と言われていますが、実際そのボリュームは必要になってくると思います。
そのため本試験においては「学習の初めの一歩」がとても重要となってきます。焦って一次試験7科目のテキストを揃え1ページ目から読み始めないようにご注意ください。
いきなり試験用テキストから入るのは危険?!
と、気合を入れて購入した一次試験7科目のテキストを1ページ目から読み始めようとしていませんか?
中小企業診断士試験の学習においてはこの勉強法は危険です。そのデメリットを理解し、正しい勉強の仕方で始めていきましょう。
デメリット① 試験の全体像がつかめない

テキスト1ページ目から気合を入れて読み始めると間違いなく挫折します。試験の全体像がつかめないまま走り始めるのは、裸一貫でいきなりジャングルに放り込まれたようなものです。
デメリット② 非効率な学習スケジュールになりがち

中小企業診断士試験の特徴として、一次試験だけで7科目、二次試験では一次試験の7科目をべ―スとした4事例と膨大な量の学習が必要になります。
1000時間超の学習時間で膨大な量のインプット・アウトプットを行うことになるため、ご自身の現状の知識量や科目の性質(理解科目か暗記科目か)などを踏まえて、各科目の学習時間や学習順序を組み立てていく必要があります。
全体像がつかめる基礎用テキストから始めましょう
いきなり科目個別テキストから始めるのはNG、ではどうすべきか。結論としては、全体像がつかめる基礎用テキストから始めることをオススメします。
個人的には「みんなが欲しかった! 中小企業診断士 合格へのはじめの一歩」がオススメです。
ポイントは、ページ数が多くないため通しで読める、また図表やカラー多様のため記憶に残りやすいです。
基礎用テキストから始めるメリットは何でしょうか?試験用テキストから始めるデメリットの裏返しにもなります。
メリット① 試験の全体像と現状の理解度が把握できる
中小企業診断士試験は、同レベルの難関資格試験といわれる社会保険労務士試験と異なり、1次試験の7科目はそれぞれ完全独立した科目のため科目の関連を意識する必要はありません。
逆に言えば、7科目それぞれが独自の構造のため、どんな科目を学習する必要があるのか、各科目で何を学ぶ必要があるのか最初に試験の全体像をつかむメリットが大きいです。

このレベルの構成が詳細の学習前におさえられているだけでも、その後の体系立てた理解に役立ちます。せっかくですのでご自身でこの学習マップを作成してみてください。
理解度見える化をすることで、ご自身がどの科目のどのパートに力を入れる=学習時間を割り当てるべきかが明確になります。
またこの学習マップの使い方として、理解ができるようになったら×を○にしていくなどすると、達成度も見える化されモチベーション維持にもつながります。
メリット② 学習スケジュールを効果的に組める
基礎用テキストから始めるもう一つのメリットは、本格的に学習を開始する際のスケジューリングを効果的に組めることです。
仮に1次試験までの学習時間を1,000時間と仮定すると、その1,000時間を各科目へ「何時間ずつ配分するか」、また「どういった順番で学習するか」の観点がとても重要です。
スケジューリングにおいては以下が基本的な考え方です。
- 二次試験と関連が高い科目(「財務・会計」、「企業経営理論」、「運営管理」)はその他の科目の2倍の時間を確保する
- 理解系科目(「財務・会計」、「企業経営理論」)は前半、暗記系科目は後半に力を入れる。特に「中小企業経営・政策」は最後
しかし、上記は一般的な考え方で、実際にはご自身の知識(関連資格を持っている等)や個別事情(数学が苦手等)に応じてカスタマイズの必要があります。
そこで活躍するのが『現時点での理解度見える化』をした学習マップです。すでに理解度が高い科目は学習時間を最低限とし、理解度が低く苦手意識がある科目へ学習時間を割くべきです。
メリット③ 早めに見切りをつけることができる
決してポジティブなメリットではないですが、基礎用テキストから学習を始めることにより早めに中小企業診断士からの撤退判断を行うこともできます。
まとめ
ご紹介したように、中小企業診断士試験は最初に全体像をつかむことが結果的に最短で合格に近づくことができるプロセスです。
ぜひ、基礎用テキストを活用し、中小企業診断士試験の学習に勢いをつけていきましょう!
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