AI(人工知能)って何なの?歴史や抱える問題【G検定にも役立つ】

AI(人工知能)まとめデータサイエンス

「AI(人工知能)」、「機械学習」、「ディープラーニング(深層学習)」という言葉は昨今のAIブームで頻繁に耳にする機会が増えたと思います。

一方で、これらの言葉が意味意味するものがあいまい、またはわからない方も多いのではないでしょうか。

AIというと、奥が深く難解なイメージがあり、実際書籍等を読んでいてもイメージが湧きづらい点があるのも事実です。

本記事では、AI(人工知能)・機械学習・ディープラーニングの関係や、人工知能の歴史・抱えている問題についてまとめました。

AIの歴史や抱えている問題をたどると、難しいと感じていたAIにより興味がわくのではないでしょうか。

AI・ディープラーニング資格試験であるG検定の学習にも役立つ内容です。
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人口知能とは(AI・機械学習・ディープラーニングの違い)

人工知能(AI)とは、コンピュータによる知的な情報処理システムを設計・実現する研究分野です。

さらに、人間の学習能力や予測能力をコンピュータで実現しようとする手法機械学習(ML)と呼びます。

機械学習の言葉の定義として、「明示的にプログラムしなくても学習する能力をコンピュータに与える研究分野」(アーサー・サミュエル)というものが有名です。

機械学習には多種多様なアルゴリズムがありますが、そのうちディープニューラルネットワークを用いて学習を行うアルゴリズム深層学習(DL)です。

人工知能・機械学習・深層学習位置づけ

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人工知能研究の歴史

1956年に米国・ダートマス会議で『人工知能』という言葉が使われるようになってから、人工知能研究には3度のブームが訪れました。

第一次AIブーム1950~1960年代推論と探索
第二次AIブーム1980年代エキスパートシステム
第三次AIブーム2000年代~機械学習・深層学習

第一次AIブーム

第一次ブームでは、「推論と探索」による人工知能が台頭しました。

推論と探索…ルールとゴールが決められた枠の中で、コンピュータがなるべく早くゴールできるよう選択し続けるとりくみ
しかし、「推論と探索」で解けるのはトイプロブレム(おもちゃの問題)に限られ、複雑に絡み合った現実の問題は解けないことが明らかになりブームが終焉を迎えました。

第二次AIブーム

第二次ブームでは、「エキスパートシステム」による人工知能が台頭しました。

エキスパートシステム…専門家の知識をそのまま人工知能に移植することにより現実の問題を解決するアイディア。知識ベースと、それを使い推論を行う推論エンジンから構成される
しかし、専門家の知識の定式化ができない、矛盾を含むなどの問題(知識獲得のボトルネック)から、複雑な問題が解けるようにならず、ブームは終焉を迎えました。

第三次AIブーム

2011年から2012年にかけて、現在の第三次ブームが訪れるきっかけとなる象徴的な出来事が多く起こりました。

  • 2011年、IBM社による人工知能Watsonがクイズ番組でクイズ王を破った
  • 2012年、ILSVRCでディープラーニングが圧勝
  • 2012年、Google社がYouTubeに映った猫を認識

ILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)は、ImageNetデータセットを用いた画像認識精度を争うコンペティションです。

2012年にジェフリー・ヒントン率いるチームがディープラーニング(AlexNetと呼ばれる畳み込みニューラルネットワークの一種)を用いて優勝したことが大きなきっかけとなりました。

またゲームの分野においても「ゲームで人間に勝つAI」が目覚ましい進歩を遂げました。

囲碁AlphaGO(Deep Mind社)
将棋Ponanza
チェスディープ・ブルー(IBM社)
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人工知能分野の問題

第一次ブームの「トイプロブレム」や第二次ブームの「知識獲得のボトルネック」の他にも、人工知能分野には解決すべき様々な問題が存在します。

特に「フレーム問題」や「シンボルグラウンディング問題」などは、機械ならでは抱える問題で面白いですね。

チューリングテスト

チューリングテストは、「ある機会が人工知能かどうか判定」するためのテストです。

人間の審査員に、相手が機械であることを伏せた上で対話し、機会と人間の区別ができなかった場合に合格とみなすテストです。

有名なプログラムは、1966年に発表されたELIZA(イライザ)や、その後開発されたPARRY(パリ―)で、いくらかの判定者に人間と会話していると思わせることが出来、今後の可能性を示唆しました。

フレーム問題

フレーム問題とは、第二次ブームの際に明らかになった「人工知能が、解くべき問題とそうでないものの分類に膨大な時間がかかってしまう」問題です。

第三次ブームではフレーム問題の解決が期待されており、フレーム問題を打ち破ったAIを強いAI(特化型AI)、打ち破っていないAIを対照的に弱いAI(汎用AI)と呼んでいます。

シンボルグラウンディング問題

シンボルグラウンディング問題とは、「記号システムのシンボルを実世界で意味するものをいかに結び付けるか」という問題です。

特に自然言語処理では、言葉同士の意味関係がわかったとしても、現実の概念と結び付けられるとは限りません。

シンギュラリティ(技術的特異点)

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、「人工知能が人間を超えて文明の主役にとって代わる」時点のことを指します。

このシンギュラリティについては、有識者の中でも様々な意見があります。

レイ・カーツワイル「シンギュラリティは2045年に到達する」
ヒューゴ・デ・ガリス「シンギュラリティは21世紀の後半に来る」
イーロン・マスクシンギュラリティの到来に危機感を持ち、非営利研究組織OpenAIを設立
オレン・エツィオーニ「終末論的構想は『馬鹿げている』」
ヴァーナー・ヴィンジ「機械が人間の役に立つふりをしなくなる」
スティーブン・ホーキング「AIの完成は人類の終焉を意味するかもしれない」

シンギュラリティに対する「ご自身の答え」を考えながら、AIを学んでいくのも面白いかもしれません。

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まとめ

AI(人工知能)とは何か、またその歴史や抱えている問題についてご紹介しました。

AIに少しでも興味をお持ちいただけたのであれば、日本トップクラスの人工知能研究者である松尾豊先生が執筆された「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」を一読してみてはいかがでしょうか。

人口知能・AIが辿ってきた歴史、歴代の科学者たちが何を考え何を成し遂げてきたのか、さらに現代から未来、産業や我々の生活がどう変わっていくのか、人間の役割がどうなっていくか。一見難解なテーマですがとても面白いものです。

 

 

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