中小企業診断士試験の勉強をしていると、今勉強している内容が合格後どう役に立つの?実際に使う機会があるの?と考えてしまうこともありますよね。
今回は、中小企業診断士試験に向けて勉強する試験科目と実務との関連や、お役立ち度について紹介します。ぜひご自身試験勉強のモチベーションアップにつなげてください。
企業経営理論 (実務お役立ち度:A)
企業経営理論は、言わずもがな中小企業診断士の核となる試験科目として、コンサルティング実務のベースとなります。あえていえば、経営戦略論:A、組織論:B、マーケティング論:Aと言えます。
実務においては、SWOTや4Pなどのコンサルティングフレームワークは、基本的ではありますが最後の最後まで活躍します。試験勉強の段階でしっかり理解して実務で使いこなせるようにしましょう。
中規模企業にであっても個別事由がある組織を診断することが多いため、学んだ一般論の知識をそのままクライアントと話しても通用しないことが多いです。
財務・会計 (実務お役立ち度:A)
クライアントにとっては、最初のフェーズで『中小企業診断士』が何をしてくれるコンサルタントなのか知らずに対話しているケースは決してレアではありません。
その中で、クライアントである中小事業主の共通課題は、最終的には自社の財務・会計をなんとかしたい、という思いで相談していることがほとんどです。
また、実務において定量的なデータとして貸借対照表や損益計算書を共有いただきコンサルティングに臨むことは多いです。
特に、苦手な方も多いキャッシュフローは実務では最頻出です。資金面で余裕がない中小企業にとってはキャッシュが命だからです。
そのため財務・会計に苦手意識があるというのはコンサルタントとしては致命傷です。試験勉強の段階でしっかり財務・会計共に身に着け信頼のおけるコンサルタントになりましょう。
というのは中小企業診断士の中にはキャリアアップ目的の銀行員や、ダブルライセンスの公認会計士・税理士も多くいるためです。
こういった方々はお金のプロフェッショナルですので、ご自身が財務・会計を中心としたコンサルティングを依頼された場合は、これらのプロフェッショナルへ依頼、あるいは連携して進めていくのが良いと思われます。
私は、『中小企業診断士』として求められる財務・会計は決して公認会計士や税理士並のアカウントスキルを身に着けることではなく、お金のプロとクライアントを繋げるスキル、すなわち最低限の財務・会計が語れること、また財務三表上の机上の理論ではなく、それを改善・成長させるための具体的な施策が提案できる、ということが必要と考えています。
運営管理 (実務お役立ち度:B)
運営管理は二次試験の対象科目の中では唯一のBとなります。内訳は生産管理:C、店舗・販売管理:Aとなります。
生産管理と店舗・販売管理のお役立ち度が大きく異なるのは中小企業診断士のクライアント特性によるものです。多くの中小企業診断士にとって実務でクライアントとなるのは小売・流通業となることが多いため、店舗・販売管理分野は学んだことが大いに使われることとなります。
生産管理は多くの製造業企業主にとって事業の核と考えているものであり譲れない点です。
駆け出しの中小企業診断士がコンサルティングできる領域はほぼないといって差し支えありません。
生産管理、店舗・販売管理いずれも、必要なのは試験範囲の勉強そのものではなく、それをベースとした実践での『業務知識』の勘所をいかに抑えるかです。
まとめ
これまで述べてきたように、中小企業診断士試験の核となる企業経営理論、財務・会計、運営管理はいずれも実務においても役に立つものとなります。
ぜひ試験勉強の際は実務を意識し、ご自身が中小企業診断士としてクライアントに接していると思いながら勉強してみましょう。習得度が段違いとなるはずです。
本記事は前編となります。後編記事はこちら!
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