就職や転職において気になる一つのポイント、
「転職のために資格取得したほうがよいだろうか?」
本記事では、就職・転職活動における資格の重要性、および企業に評価されやすいオススメ資格についてまとめてみました。
就職・転職活動で「資格」は評価される?
資格=スキルを保有する客観的な証明
仮に皆さんが採用担当者の立場で、財務諸表が読める程度の会計スキルを持つ応募者を採用したい場合、他条件が同じだとして、下記Aさん、Bさんどちらを採用したいと考えるでしょうか?
- Aさん「一般的な会計知識は持っています。」
- Bさん「一般的な会計知識は持っています。簿記2級を持っています。」
このケースでは、当然Bさんではないでしょうか。
理由は、Bさんは簿記2級を持っているので、企業が求めるスキルを保有していることが客観的に証明されているためです。
一方、Aさんは、ひょっとするとBさん以上の会計スキルを保有しているかもしれませんが、上記だけでは判断できません。
もちろん、特に転職市場においては資格よりも経験が重要となりますが、その場合でも
- Aさん「現職では、日常的に海外ベンダーとのやりとりをしていました。」
- Bさん「現職では、日常的に海外ベンダーとのやりとりをしていました。TOEICは900点です。」
このケースでも、Aさんの実力のほどは不明ですが、Bさんは、TOEIC900というだけで英語をバリバリ使いこなせている印象を与えます。
逆効果にもなりうるケースに注意
これまで、資格があった方がベターという説明でしたが、逆効果にもなりうるケースがありますのでご注意ください。
経験で訴求できる印象 >> 資格で証明するスキル
例えば、下記のケースの場合、(Bさんは英語力を証明する資格を保有しているにもかかわらず)Aさんの方が英語力が高い印象を受けませんか?
- Aさん「帰国子女(または海外の大学卒業)」
- Bさん「帰国子女(または海外の大学卒業)・TOEIC800」
理由は、「帰国子女(または海外の大学卒業)」であるという経験が、十分に英語スキルが高い印象を訴求するためです。
「帰国子女=TOEIC900以上」はあるだろう、という一般的なイメージがあるため、この場合ではTOEIC900未満であればあえて出さないほうが高い評価を与えます。
資格で証明するスキル >> 企業が求めるスキル
例えば、冒頭の「財務諸表が読める程度の会計スキルを持つ経理担当者」を採用している場合、Bさんの方があきらかに高い会計スキルを保有していますが、採用を検討するのはAさんになりませんか?
- Aさん「一般的な会計知識は持っています。簿記2級を持っています」
- Bさん「一般的な会計知識は持っています。公認会計士です」
理由は、企業が求めるスキルよりも、高すぎる資格を保有しているためです。
一般的に公認会計士というと、監査法人に就職し、独立し会計事務所へ、というイメージがあるため、一般企業への就職活動をしていると、(もちろん全てのケースがそうではありませんが)会計士としては難あり?などの印象を与えてしまいます。
また、上記と別のケースで、稀に「高度情報処理技術者試験コレクター」がいますが、このような場合も、『ITのスペシャリスト』ではなく、単なる『資格オタク』の印象を与えてしまいますのでご注意ください。
ビジネス三種の神器、『英語』・『IT』・『会計』
それでは、就職・転職において評価が高い資格は何でしょうか?
標準的なスキルを求める企業をターゲットとした場合において、「評価の高さ」・「取得し易さ」・「オススメ度」の観点から関連資格について紹介します。
英語資格
TOEIC700(オススメ)
取得し易さ:★★★★☆
オススメ度:★★★★★
グローバル化が推進してきた今でも、日本におけるTOEIC神話はまだまだ強いです。
「TOEIC700点」は、グローバル事業特化の就職・転職でもなければ、一般的に英語ができる人材として評価されます。
TOEIC900
取得し易さ:★★☆☆☆
オススメ度:★★★★★
「TOEIC900点」は、それだけで大抵の企業からオファーを受けられるといってよいほどのパスポートといっても差し支えありません。
もちろん900を突破するまでが困難ですが、一般的な資格試験と異なり、合格・不合格ではなくスコア評価となるため、努力の成果が見えやすい、というメリットがあります。
第二外国語(中国語・スペイン語など)
取得し易さ:★☆☆☆☆
オススメ度:★★☆☆☆
昨今、グローバル化の加速に伴って中国語やスペイン語などの第二外国語の重要性が増しています。
中国語を学ぶこと自体はもちろんマイナスではありませんが、日本で働く中国人、中国生まれの帰国子女、中国への留学経験者…などなどマルチリンガルはいくらでもいるため、付け焼刃で強みとするには険しい道のりとなります。
趣味として取り組むのはOKですが、ビジネスのためであればその分英語を学ぶ、またはITや会計など他の専門性を磨く、という方向性の方が良いかと考えます。
IT資格
基本・応用情報技術者試験(オススメ)
取得し易さ:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
ITは、もはや理系だけの領域ではなく、あらゆる社会人にITスキルは求められます。
そういった中で、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、一定程度のITスキルがあると評価されるためオススメです。
高度情報処理技術者試験
取得し易さ:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆(IT関連に転職の場合★★★★★)
「高度情報処理技術者試験」は、取得難易度の高さの割に、上記の基本・応用情報技術者試験と比較して評価が大きく上がらず、コストパフォーマンスは良くないです。
ひとことでITといっても領域が広すぎるため、その中での自身の専門性の証明(プロジェクトマネージャーなのか、データベーススペシャリストなのか)になります。
会計資格
簿記2級(オススメ)
取得し易さ:★★★★★
オススメ度:★★★★★
会社経営の中心となる「カネ」に対する近いが理解があるとして、会計・経理担当者でなくても保有していることで評価が高い資格です(取得し易いさが高い点もポイントです)。
中小企業診断士
取得し易さ:★★☆☆☆
オススメ度:★★★★☆
中小企業診断士は、高難度として知名度も高く、経営スキル全般の高さの証明となるため評価されやすい資格です。
一方で取得難易度は高いため、就職や転職のためにわざわざ取得する、というのは絶対にオススメしません。
まとめ
就職や転職における、資格の重要性、および評価の高いオススメ資格を紹介しました。
記事内にて紹介したように、資格そのものが重要なのではなく、ご自身のスキルが最重要であって、その客観的証明として資格が重要であることをご承知おきください。
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