『交渉』というと、苦手意識を持っている方がほとんどではないでしょうか。
しかし、交渉スキルはグローバル化が進む世の中にとって必須となるでしょう。
本記事では、交渉の基本の流れや、オファーを出す際のポイントを紹介します。
交渉の流れでおさえるべき5つのポイント
交渉においては、「自分の利得」と「相手の利得」、および「時間」の概念があります。
利得においては、自分と相手、それぞれが合意を許容する『合意ゾーン』を持ち、最終的に自分と相手それぞれのボトムラインを超える交渉結果となった場合に、合意に至ります。
この交渉の大きな流れにおいて、おさえるべきポイントが5つあります。
事前に落としどころ・ボトムラインを決める
落としどころの重要性
交渉において、自分の要求が100%通ることは現実的ではありません。
事前に、落としどころを決めることは、相手の望むゴールをおさえることにもなります。
これを理解することで、最終的にWin-Winとなる交渉を進めていくことができます。
ボトムラインの重要性
事前に決めた「要求のボトムライン」は絶対に譲ってはいけません。
また、自分のボトムラインを相手に伝えるのは、一見親切のように見えますが危険な手段であることを理解しましょう。
理由は、その時点で交渉が自分のボトムラインまで落とされるためです。
相手から最初のオファーをさせる
交渉においては自分が主導権を握ることが重要、であるならば最初のオファーは自分から、と考えてしまいがちですが、最初のオファーは相手からさせることが重要です。
理由は、交渉が自分のオファーを超える可能性が潰えるためです。
相手の望むゴールが明確であるであればともかく、通常の交渉であれば不明確であることがほとんどです。
裏を返せば、相手の最初のオファーが、「相手のトップライン」であるため、この情報をベースに交渉を始められるのはかなり有利となります。
譲歩の幅を小さくしていく
交渉の合意に向けて、譲歩の幅は徐々に小さくしていくことがポイントです。
譲歩の幅を小さくしていくことで、相手に合意に向かっている意思表明をするとともに、相手への譲歩および合意を促す材料にもなります。
Win-Winの合意をする
交渉では、勝ち負けではなくお互いがWin-Win(自分も相手も勝つ)となる合意を目指しましょう。
Win-Winの合意となるコツは、「最後は相手に合意の判断をさせる」ことです。
仮に交渉が多少不満が残る結果であったとしても、最後は自分が決断したと思えば後悔も最小限となります。
オファーがOKであればしめたもの、NGであっても、「オファーを断った」として相手の自尊心を保つことができます。
「時間」をコントロールする
交渉では、目に見える利得と別に、「時間」の概念が存在しており、時間のコントロールが重要となります。
時間は有限であるため、自分にも相手にも「交渉期限」が存在します。
実際の交渉では、いずれかが交渉期限を向かえ交渉ラインを妥協することで合意に至ることがほとんどであるためです。
逆に言うと、相手の交渉期限を知ることで交渉を有利に進めることができます。
期限いっぱいの長期間交渉を続けると、サンクコスト(埋没費用)となることを避けるため自分のボトムラインを割っても交渉したくなる心理も働きます。
オファーを出すためにおさえるべき3つのポイント
交渉では、前章で紹介した交渉の流れをおさえると共に、オファーを出すためにおさえるべきポイントが3つあります。
特に、「相手がイメージできる」、「具体的・客観的な根拠がある」オファーでなければ、相手にとっては独りよがりなわがままに聞こえてしまいますので意識しましょう。
相手がイメージできるオファーを示す
オファーをする際には、「相手がイメージできる」オファーを示すことが重要です。
すなわち、オファーの内容(例えば価格など)だけでなく、このオファーを相手が受けることでどんなメリットがあるかをイメージさせる、ということです。
これにより、相手がオファーを受けた状態をイメージするため、以降の交渉を自分のペースに持ってくることが可能になります。
オファーには具体的・客観的な根拠を示す
オファーにおいてもうひとつ重要なポイントは、「具体的かつ客観的な根拠」を示すことです。
『市場では○○というデータがあり…』といった具体的・客観的な根拠があることで、オファーの価値が上がります。
真実を全て伝える必要ない
前述のように、交渉においては、いかに自分の情報を相手へ出さないかがカギです。
嘘はもっての他ですが、かといって真実を全て相手に伝えることは交渉に不利になります。
まとめ
本記事では、交渉の基本の流れや、オファーを出す際のポイントを紹介しました。
『交渉術』は、テクニックを知っているだけではなく、実践を通して力をつけていきましょう。
とはいえ、交渉に関する書籍を通して、交渉の疑似体験をすることもできます。
以下のような書籍から、交渉のポイントやスキルを学んでみてはいかがでしょうか。
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