『DX』というワードは、ほとんどの方が聞いたことがあるほど、我々の社会活動や生活に強く紐づいています。
今回は、『DX』とは何か?について事例を交えわかりやすくエッセンスを紹介します。
DXとは何?
DXは何の略?
ずばり、DXは、Digital Transformationの略、「デジタル(Digital)を活用して変革し続ける(Transformation)こと」を指します。
企業活動上、業務へのデジタル利用や、デジタルによる業務の置き換えなどを含め「DX」と言及していることも多々あります。
これらはそれぞれ1st Stepとしての「デジタイゼーション」、2nd Stepとしての「デジタライゼーション」とし、いわゆるデジタルトランスフォーメーションはその先の、プロセス全体のデジタル化、それに伴うビジネスモデルの変革を指します。
1st Step | デジタイゼーション | デジタル利用による業務プロセスの強化 |
2nd Step | デジタライゼーション | デジタルによる業務の置き換え |
3rd Step | デジタルトランス フォーメーション | プロセス全体のデジタル化、 それに伴うビジネスモデルの変革 |
DXによる変革(Transformation)
あらゆる業種を変革するDX
DXは、特定の業種のみにかかわるものではなく、我々の社会活動や生活にかかわるあらゆるものに可能性があります。
例えば、製造業における「スマートファクトリー」、小売業における「D2C(Direct to Customer)」金融業における「フィンテック(=ファイナンス×テクノロジー)」などはその一つです。
以下は、DXの代表事例と言われるプラットフォーマーである『GAFA』と、『UBER/airbnb』を紹介します。
GAFA
『GAFA(またはMicrosoftを含めGAFAM)』は今や説明不要といえるDXの代表企業、後述するデジタル技術を駆使し、他社が模倣できない強力な商品・サービスを生み出し、かつ今もなお成長し続けています。
G | 検索サービス | |
A | Amazon | EC・クラウド |
F | SNS | |
A | Apple | スマートフォン |
これらは、プラットフォーマーとして、もはや生活やビジネスに不可欠なインフラと言っても過言ではありません。
UBER/airbnb
UBERやairbnbは、どちらも設立から約10年程度で、成熟した(と思われていた)市場のビジネスモデルを激変させた事例です。
両社は、インターネット上のプラットフォームを介し、モノやサービスを流通させる『シェアリングエコノミー』の手法で、「移動」や「宿泊」の在り方を大きく変えました。
UBER | 移動のシェアリングエコノミー |
airbnb | 宿泊のシェアリングエコノミー |
DXを支える技術(Digital)
DXを支える3つの技術
DXは様々な技術から成るものですが、その中でも「IoT」、「AI」、「クラウド」の3つの技術がコアテクノロジーとなります。
これらの技術はそれぞれ独立するものではありません。
IoT
IoT
『IoT』はInternet of Things(インターネット・オブ・シングス)の略で、「モノのインターネット」と表現されます。
IoTを一言で表すならば以下と定義できます。
「モノ」とは、PCやスマートフォンだけでなく、家電・自動車・各種センサー・建物まであらゆるものを対象とします。
あらゆる「モノ」のデータを収集し、条件に応じて「モノ」が適切な処理を実行するサイクルによりIoTの価値が高まります。
5G
日本で2020年にスタートした『5G』(第5世代移動通信システム)は、IoTを実現する上で基盤となる技術です。
5Gは、機能面で以下の3つの大きな特徴があります。
高速通信 | 10Gbps | 4Gの 100倍 |
低遅延 | 1msec | 4Gの 1/10 |
同時多接続 | 100万回線/㎢ | 4Gの 100倍 |
ローカル5Gは、一定帯域の確保やセキュリティリスクの抑制など、企業ごとの多様なニーズに応えるのが目的です。
AI
AI
『AI』は英語で「人工知能」を意味するArtificial Intelligenceの略です。
AIを一言で表すならば以下と定義できます。
AIを理解する上では、AIブームの原動力となっている「機械学習」と「ディープラーニング」についておさえる必要があります。
機械学習
機械学習は、人工知能で提唱されている18研究分野の一つで、データを解析、結果から判断や予測をおこなうための規則性やルールを獲得する手法です。
これまでのルールベースと異なり、分類や判別のルールを人間ではなく機械が生成することができます。
ディープラーニング
ディープラーニングは機械学習の一分野であり「深層学習」とも言い、ニューラルネットワーク(ニューロンと呼ばれる脳神経細胞ネットワークをコンピューターで模擬的に再現したもの)を応用した機械学習です。
これまでの機械学習と異なり、分類や判別のルールを生成するための基準(特徴量)を人間が教えずとも、自ら見つけ出すことができるようになります。
クラウド・コンピューティング
クラウド
『クラウド』は正式にはクラウド・コンピューティング、英語で『雲』と意味です。
クラウドを一言で表すならば以下と定義できます。
自前でハードを持つ運用を「オンプレミス」と呼びますが、今ではクラウドを用いるのが主流となっています。
オンプレミスと比較したクラウドの強みは、「早く・安く・新しい」サービスを利用できることです。
オンプレミス | クラウド | |||
Q | 古 | 機器購入時の性能から変わらない | 新 | 常にクラウドの最新機器を利用可能 |
C | 高 | 機器を資産として償却 | 安 | サービスの利用料金を支払い |
D | 遅 | 機器を調達、構築 | 早 | オンラインでリアルタイム設定 |
クラウドのモデルは、大きく「サービスモデル」と「デプロイメントモデル」に分類できます。
サービスモデル
クラウドは、提供サービスの違いで以下のように分類することができます。
SaaS | Software as a Service | アプリケーションをクラウド化 |
PaaS | Platform as a Service | ハード+アプリケーション開発をクラウド化 |
IaaS | Infrastructure as a Service | コンピューター・記憶装置などをクラウド化 |
さらに、コンテナ管理の機能を提供する「CaaS(Container as a Service)」や、コンテナ上の機能部品(サービス)を提供する「FaaS(Function as a Service)」なども登場しています。
デプロイメントモデル
クラウドはまた、システムの設置場所の違いにより以下のように分類することができます。
パブリッククラウド | 一般公開されており誰でも利用可能なクラウド |
プライベートクラウド | クラウド技術を活用した企業内システム |
ハイブリッドクラウド | パブリック/プライベートクラウドを組み合わせたもの |
まとめ
DX(=Digital Transformation)は、「デジタル(Digital)を活用して変革し続ける(Transformation)こと」を指します。
変革企業やそれを支える技術の概要を説明しましたが、DXをより知りたい方は書籍等で理解を深めるのがよいでしょう。
DXに関する書籍は数多ありますが、最初の一冊としては以下が大変オススメとなっています。
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