『子育て×部下のマネジメント』の7つのポイントで育てる力を伸ばす

スキル-子育て×マネジメントキャリア&スキル

よく、子育てと社会人としてのマネジメントは似ていると言われます。

インターネット上の記事や書籍などでも、「子育てを経験すると、計画力や同時実行力がつくため、社会人としてのマネジメント能力が高まる」といった文言が散見されます。

今回は、『子育て』と『部下のマネジメント』に共通する、ポイントを紹介していきます。

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子育てと部下のマネジメントは似ている?!

前述のように、子育てと社会人としてのマネジメントは似ていると言われますが、私は、子育てと部下のマネジメントは、本質的な「成長段階にいる相手」とのかかわり方という点でもっと親和性が高いものと考えています。

子どもに対してできている姿勢が、社会人だからという理由で部下にはできていない、またはその逆、といったことはよくありますが、本質的にはとても似ているものではないでしょうか。

『子育て』と『部下のマネジメント』に共通する、7つのポイントは以下と考えます。

  1. できるだけ「実体験」させる
  2. 多様な価値観を受け入れる
  3. 「作業」を渡さない
  4. 「結果」ではなく「努力」を褒める
  5. 失敗から学ばせる
  6. 「答え」を教えるのではなく「答えまでの道筋」を教える
  7. 成長段階に応じた課題を与える
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新入社員・子どもとのかかわり方

できるだけ「実体験」させる

百聞は一見に如かず』です。

インターネットの活用が当たり前となり、情報がいつでも、どこからでも入手できる昨今、新入社員は学生時代から様々な「知識」をもって入社、また子どもにおいてもYouTubeやインターネット教材などから昔よりも多くの情報を持っている方が多いです。

しかしどれだけ大量の「知識」を持っていても「体験」に勝るものはありません。

子どもがわかりやすい例ですが、大人は『犬』と聞くと当然のように、「哺乳類」、「ワンワンとなく」、「ペットとして多く飼われる」、「走ると早い」など無限の特徴がすぐに出てきますが、子どもにとっては、図鑑で犬の特徴を知り、外で実物を見てそれを犬と認識してこれまでの知識を統合する、など様々な段階を経て五感をフル活用して『犬』を理解していきます。

大人になると忘れがちですが、新社会人である新入社員もそういった意味では同じ、聞きなれないキーワードを頭では理解していても、それを「体験」していないと、実体のあるものではありません。

新入社員だからこそ、早めに本物・実物を用いて「体験」させるようにしましょう。

多様な価値観を受け入れる

自分の子どもは当然のこと、会社の部下においても、10~20歳下というのは珍しくありません。

仮にご自身がいくら親近感を持って接したとしても、自分が子どもや新入社員のころを振り返ってみると、10歳も違うと価値観は全く違ったのではないでしょうか。

世代が違えば価値観やものごとの視点も異なり、「自分の時代は○○だったからこうあるべき」という決めつけは、多くの場合正しくありません。

特に昨今ではインターネットやSNSを使いこなす新入社員の方が多くの視点に触れ、合理的な考え方を持っていることも多くあります。

なんでも若者に迎合するのが正しい、というわけではないですが、新入社員を受け入れる、ということは、「新しい価値観を身に着けるチャンス」と考えましょう。

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教育の仕方

「作業」を渡さない

私が好きなイソップ童話の「3人のレンガ職人」、ご存じの方もいるかと多いのではないでしょうか。

ストーリー概要は以下です。

旅人が、レンガを積んでいる職人を見て「あなたは何をしているのですか?」と尋ねると三者三様の返答が返ってきました。
職人A「レンガを積んでいます」
職人B「教会を作っています」
職人C「人を幸せにしようとしています」

童話として聴くと笑い話のようですが、ご自身が「あなたは何の仕事をしているのですか?」同じ問いを問われると「プログラミングしています」、または「各部門から挙がってきた数字をexcelで集計しています」など、職人Aのように答えてしまう方が多いのではないでしょうか。

このケースでは職人Cはやや極端な例かもしれませんが、自分が部下や子どもに手伝いを依頼する際、「作業」を渡すことで、依頼された側が職人Aになってしまいなわないように気をつけましょう。

ポイントは、お願いしていることが、何の目標達成に寄与するのか、そして依頼相手がその重要な一部分を担っていることを認識させることです。

例えば、子どもにニンジンを切るお手伝いをお願いする際も、「ニンジンを切ってね(職人A)」という以来の仕方ではなく、「カレーを作るから、一番大切なニンジンを作ってもらおうね(職人B)」、「パパ・ママに美味しいカレーを食べてもらって笑顔になってもらうね(職人C)」、といったお願いをするだけで、依頼された側もモチベーションが高まり、また、依頼されたこと以外にも視野も広がります。

「結果」ではなく「努力」を褒める

子どもがテストで100点とった際、または部下がプロジェクトを新規受注した際、つい「結果」そのものを褒めがちです。

一見「褒める」という行為は相手をモチベーションアップさせる良い行動のようですが、実は褒める対象が肝となり、「結果」ではなく「努力」を褒めることが重要です。

結果」を褒められた人は、それ以降失敗しないことにこだわってしまい、困難に直面した際に回避してしまう傾向がある一方、「努力」を褒められた人は、うまくいかなかったとしても原因を自らの努力不足にあると考え、挑戦を続けるという結果が心理学の実験でもわかっています。

そもそも「結果」とは、たまたま勉強したところがテストに出題された、タイミングよく顧客が提案内容を求めているところだった、などの要素が関わってくるものです。

自分に立ち返ってみると、純粋な自分の頑張りを認められた「努力」を褒められた方が、圧倒的にモチベーションアップに繋がるのではないでしょうか。

失敗から学ばせる

昨今、失敗を許容しない風潮があります。

不安定な日本経済や、様々なサイクルの短命化もあり、経済的にも精神的にも人の余裕が無いからでしょうか、自分の部下や子どもが失敗しそうになると、ついすぐに良かれと思って手を出してしまいがちになります。

しかし、失敗から学べることは、成功の何倍も多く、何倍も濃いものとなります。

成功は、これまでの努力の結果でしかなく、良かったねと満足し、自己肯定感が高まるのみ(もちろんこれも重要なプロセス)ですが、失敗することで、ではどうすればよいかと頭をフル回転させ改善や改良することで成長につなげることができます。

そして、ご自身もそうだったかと思いますが、若手社員や子どもの際に行った失敗は、今や武勇伝となるかと思います。

もちろん命にかかわるなど取返しのつかないことは別ですが、そうでなければ、おおらかな気持ちで部下や子どもの『失敗』を許容しましょう。

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育成の仕方

「答え」を教えるのではなく「答えまでの道筋」を教える

インターネットの活用が当たり前となり情報がどこからでも入手できる昨今、『知識量』は武器はではなく、情報を活かす『応用力』がカギとなります。

子どもに宿題を教えていると、時間がかかりすぎ、ついしびれを切らして算数の計算問題の答えを教えてしまう、読書感想文で書く内容を話してしまう、といったことが心当たりないでしょうか。

この指導法は、一見時間短縮となり効率的のようですが、実際には極めて非効率かつ無意味です。

答え」を教えられた側は、ほとんどの場合、同じ問題・課題に直面した場合にしか対応ができず、別の問題・課題が目の前に迫るとまた上記の繰り返しとなってしまいます。

問題・課題に直面した部下や子どもには、サポートするとしても、「答え」ではなく、「答えまでの道筋」を教えることが重要です。

例えば、読書感想文の場合、内容そのものではなく、「どのような構成にして、○○、△△、□□の観点で感じたことを書くとよいよ」と、『読書感想文のフレーム』を教えてあげることで、次回の読書感想文や、別の文章を書く際の応用力を高めることができます。

部下や子どもは、「答え」を教えてほしい、と思うかもしれませんが、本当に相手の成長を思うのであれば、「道筋」を教えてあげましょう。

成長段階に応じた課題を与える

成長段階に応じた課題を与える」というと、当然のように感じるかもしれませんが、自分自身が上の立場にいると、よほど意識していないと疎かになりがちですので気をつけましょう。

まず、成長段階より低すぎる課題を与えると、「自分は期待されていないのでは」、「頑張る必要はないのでは」と、課題を与えられた側のモチベーションは著しく下がります。

そして、それが長期続くとそれが当たり前の環境となってしまい、工夫をしたり努力をしたりしなくなってしまいます。

さらに気を付けなければいけないのが、成長段階より高すぎる課題を与えてしまうこと、これは一見相手を高める行動と思われがちですが、『学習性無力感』を引き起こす危険があるため要注意です。

『学習性無力感』とは、一般的に人はストレスがかかると抵抗や回避したりするところ、極めて高いストレス下に長期間置かれていると、「自分は駄目だ」、「何をやっても無駄だ」と無気力な状態に陥ってしまい、ストレスから逃れる行動すら起こさなくなってしまう状況です。

学習性無力感は社会人であっても子どもであっても関係なく、うつ病の引き金ともなりえます。

つい「自分が同じ歳の時はこのくらいできた」と感じてしまいがちですが、多くの場合それは過去の美化による幻想ですので、くれぐれも気をつけましょう。

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「子育て×マネジメント」にオススメの書籍

子育て×マネジメント』の共通因子から『育成』を学びたい場合は、以下のような子育て向けの本を読まれることをオススメします。

子育て」のための本ですが、社会人向けマネジメント本では触れられないような、人を成長させるための根本・本質とは何かに気づかされます。

もちろん子育てフェーズにある方であれば、シナジー効果で子にも、部下にも良い効果をもたらすことでしょう。



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まとめ

今回は、『子育て』と『部下のマネジメント』に共通するポイントを紹介しました。

ご紹介したように、子育てとマネジメントは、本質的な「成長段階にいる相手」とのかかわり方という点でもっと親和性が高いものです。

ぜひご紹介したポイントをおさえて、親としても、上司としても、相手を成長させられる良き理解者となりましょう!

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