【DX:ビジネス】社会イノベーション (次世代ビジネストレンド)

DX-社会イノベーションデータサイエンス

DX(=Digital Transformation)は、ビジネスや技術、双方の幅広い観点から理解する必要があります。

本記事では、DXのTransformation(ビジネス)領域から、『社会イノベーション』について紹介します。

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次世代ビジネストレンド

DX検定-ビジネス

DXでは、様々なビジネス変革が実現しています。

今回は、『社会イノベーション』について、おさえるべきトレンドを紹介します。

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社会イノベーション

経営のイノベーション

GAFA

GAFA(またはMicrosoftを含めGAFAM)』は、DXを語る上で不可欠な企業、我々の生活やビジネスに必須のインフラといえます。

AI、IoT、クラウドなどのデジタル技術を駆使し、他社が模倣できない強力な商品・サービスを生み出し続けています。

GGoogle検索サービス
AAmazonEC・クラウド
FFacebookSNS
AAppleスマートフォン

Fintech(フィンテック)

Fintech (フィンテック)は、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、ITを活用し金融に新たな概念をもたらすサービスです。

Fintechの実現を支えるのが、以下のような『デジタル通貨』です。

電子マネー

電子マネーは、法定通貨をデジタル化したもので、PayPay(ソフトバンクグループ)、楽天Pay(楽天)などの電子マネーの普及により日本のキャッシュレス化が進みました。

仮想通貨

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、特定国家の保証を持たない暗号化されたデジタル通貨です。

中央サーバーや管理者を必要とせず、ピアツーピア型のネットワークを構成しユーザー間で直接取引が行われますが、それを可能とするのは、取引の信頼性を保証する基盤技術である、『ブロックチェーン(公開分散元帳)』の存在です。

仮想通貨の価値を探る方法として、「メトカーフの法則」があります。
メトカーフの法則とは、「ネットワーク通信の価値は、ユーザー数の2乗に比例する」、つまり繋がるモノが多いほど価値が向上するというものです。

産業のイノベーション

エネルギー:スマートグリッド

スマートグリッドは、電力の流れを供給側・需要側両方から制御し最適化する次世代送電網です。

多数の小規模な発電所や電力の需要抑制システムを、IoTを利用し一つの発電所のようにまとめて制御する仮想発電所としてバーチャルパワープラント(VPP)が注目されています。

VPPにより、「電気の供給量に合わせ需要量を制御」する、デマンドレスポンス(Demand Response)型のエネルギーマネジメントが実現します。

下げDR電力不足が予想される際に需要を抑制する
(例:電気料金の調整、節電に対するインセンティブ)
上げDR供給過剰の際に需要を創出する
(例:蓄電池への充電要請)

エネルギー:オフグリッド淡水化

オフグリッド淡水化は、通常のグリッドからの電力を用いず、太陽光発電など様々なエネルギーを利用して「淡水」を作ることです。

「淡水」は人間が使用できる水を指し、現在地球上の水のうちわずか2.5%ですが、水膜ろ過技術を用いて淡水化率の向上を狙っています。

エネルギー:人工光合成

人工光合成は、人工的に植物の光合成と同じ現象を発生させる技術で、水と二酸化炭素から、太陽光をエネルギー源として有機物を生成するものです。

製造:マイクロマシニング

マイクロマシニングは、半導体製造に用いられる微細加工技術を応用し、マイクロメートル単位の微小機械(マイクロマシン、MEMS)を作る技術です。

製造:ナノテクノロジー

ナノテクノロジーは、物質をナノメートル、すなわち原子や分子のスケールで制御する技術です。

以下のような新素材の開発により多くの分野での応用が期待されます。

CNT(カーボンナノチューブ、ナノカーボン)ナノ単位の炭素粒子で構成される素材
CNF(セルロースナノファイバー)木質繊維(パルプ)をナノ化した素材

流通:完全無人物流

政府は、物流分野におけるIT利活用についてトラックの自動運転やドローンの活用により「2030年をめどに完全に無人化する」目標を明記しています。

流通:オムニチャネル

オムニチャネル(Omni-Channel)は、消費者が商品購入に至る過程で、実店舗のみならずPC・モバイルサイト、メディアなどのあらゆる(Omni)販売・流通チャネル(Channel)を、意識せずに利用する仕組みを指します。

さらにオムニチャネルの発展形として『OMO(Online Merges with Offline)』がありますが、両者の違いは以下です。

主軸オンラインとオフラインの区別
オムニチャネル顧客の購買行動あり
OMO購買行動を含めた顧客体験(UX)なし

医療:再生医療

再生医療は、欠損や、機能不全に陥った生体組織を再生・回復させる医療行為です。

iPS細胞を用いたゲノム編集による再生医療の可能性が加速しています。

iPS細胞

iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、細胞を培養し人工的につくられた多能性の幹細胞です。

iPS細胞を使った臨床研究や治験は既にヒトで実施されており、投薬のみならず、創薬にも応用できると期待されています。

ゲノム編集

ゲノム編集は、核酸分解酵素(ヌクレアーゼ)を用いて遺伝子を改変する技術です。

クリスパーキャスナイン(CRISPR/Cas9)という核酸分解酵素の開発により、ゲノム上の任意の場所に特定の遺伝子を挿入(ノックイン)、また特定の遺伝子の動きを停止させる(ノックアウト)ことが可能になり、疾患治療や予防の進展が期待されています。

植物や微生物にゲノム編集を行うことにより有用な物質を作る『生物工場』も注目されています。

生活のイノベーション

シェアリング・コモンズ

従来、ハードウェアにあったモノの価値が、ソフトウェアや、サービスへシフト(モノのサービス化)することにより、モノを「所有」するという価値から、サブスクリプションを始めとした、モノを「使用」するという価値へシフトしています。

このような価値観の元、モノやサービスなどの資源を共同利用し有効活用する経済を『シェアリング・コモンズ(シェアリングエコノミー)』といいます。

MaaS』や『マイクロファンディング』などもシェアリング・コモンズといえます。

MaaS

MaaS (Mobility as a Service)は、移動手段を車の所有というモノで提供するのではなく「サービス」として提供するシェアリング・コモンズです。

人の移動を最適化するため、所有する自動車のみならず、公共交通機関などすべての交通手段を一つのサービスとして、ルート検索から支払までシームレスに繋ぐ概念です。

マイクロファンディング

マイクロファンディング(クラウドファンディング)は、プロジェクト資金の調達が困難な個人や団体がインターネットを介し、賛同した不特定多数の人々から少額の資金調達をする手法で、金融のシェアリング・コモンズといえます。

資金提供に見返りを求めない「寄付型」、利益が出た後の配当金を求める「投資型」、資金提供の代償として商品やサービスを受け取る「購入型」など、様々な型のマイクロファンディングがあります。

新たな文化

デジタルの活用により新たな文化が生まれ、以下のような新たな人財も登場しています。

  • eスポーツ選手 … コンピュータゲームなど電子機器を使用した対戦を行うゲーマー
  • Vtuber … Virtual YouTuberの略、CGやアバターによる楽曲や動画のYouTube投稿・配信者

これらの人財は個人活動にとどまらず、様々な企業が参入しており世界的にも経済効果が高まっています。

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まとめ

本記事では、DXのTransformation(ビジネス)領域から、『社会イノベーション』について紹介しました。

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