【DX:技術】IoTとハードウェア(全てのモノをデジタルに繋ぐ)

DX-IoT・ハードウェアデータサイエンス

DX(=Digital Transformation)は、ビジネスや技術、双方の幅広い観点から理解する必要があります。

本記事では、DXのDigital(技術)領域から、『IoT』と『ハードウェア』について紹介します。

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IoTとハードウェア

DX検定-技術

DXの実現は、様々な技術により支えられています。

今回は、そのうち現実世界(Physical World)を支える『IoT』と『ハードウェア』について、おさえるべきトレンドを紹介します。

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IoT

CPS(Cyber Physical System)

CPS(Cyber Physical System)とは、現実世界(Physical)をデジタルデータ(Cyber)で捉え、社会やビジネスを動かす仕組みです。

現実世界の多様なデータをセンサで収集、デジタルでビッグデータ処理技術等を駆使し分析・知識化、創出した情報・価値を社会やビジネスに還元します。

また、現実世界の出来事をデジタル上に再現したコピーを『デジタルツイン』といい、現実世界では困難なシミュレーションをデジタル上で行うことができます。

IoTはこのエコシステムにより、製造業のサービス化を促進すると言われています。

例えば、機器に組み込まれたセンサデータをクラウドで解析することで以下が可能となります。

  • 故障の予測および事前対応
  • 稼働状況把握による、使用量に応じて課金するビジネスモデル

また、非接触ICカード技術である「Felica」もIoT活用が実現しています。

家電製品などにタッチするだけで機器同士を認証、データをやりとりすることで現実世界とデジタルをシームレスにつないでいます。

IoT向けのWi-Fiとして、低消費電力・長距離通信・高速伝送を両立する『IEEE802.11ah=Wi-Fi HaLow(ヘイロー)』が2021年に実現しています。

エッジコンピューティング

IoTはあらゆるデバイスがインターネットにつながるため、クラウドだけでできない処理や高速応答をする超分散コンピューティングを実現するため、三層構造に区分することができます。

デバイス層センサ・外部機器からデータを収集、ネットワークに送り出す
エッジコンピューティング層データを集約してクラウドに送る、かつデバイスに高速応答処理を行う
クラウドコンピューティング層膨大なデータを解析、再びデバイス層へとフィードバックする

昨今では、エッジコンピューティング層で機械学習を可能とする「エッジAI」も登場しています。

IoTプラットフォーム

IoTプラットフォームは、膨大な数のIoTデバイスから得られたデータを蓄積・解析し他のデバイス・システムと連携するプラットフォームです。

ITベンダーだけでなく、ITユーザ企業もIoTプラットフォームサービスに乗り出しています。

IIC(Industrial Internet Consortium)やoneM2Mなど、IoTの標準化を推進する国際的なIoT団体も活発化しています。
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ハードウェア

IoTデバイス

IoTデバイスは、インターネット接続機能やセンサー機能を持つ、IoTに使用される機器です。

ARMプロセッサ

これまでプロセッサ(CPU)といえばIntel製でしたが、スマートフォンなどコンピュータの小型化により、『ARMプロセッサ(英ARM社が設計したCPU)』が主体となっています。

ARM社は自社製品としてCPUを製造販売しておらず、半導体メーカーが知的財産権を購入してチップ化しています。

ARMプロセッサは、ARMアーキテクチャといわれるRISC(Reduce Introduction Set Cumputer)プロセッサアーキテクチャにより、低消費電力を実現させるためIoTデバイスと親和性が高い設計です。

センサー

IoTに下記のようなセンサーを組み合わせることで、対象からさまざまなデータ収集が可能になります。

温度センサー対象物や対象空間の温度を計測(例:食品管理)
加速度センサー単位時間あたりの速度を表す加速度を測定(例:ドローン)
ジャイロセンサー角度を検出(回転する動きを検知)(例:ドローン)
光センサー光を検知(例:自動ドア)
イメージセンサー光を電気信号に変換し像を取得(例:デジタルカメラ)

温度センサーの代表例は、温度変化に対する電気抵抗変化を利用した「サーミスタ」、その特性により以下3タイプがあります。

NTC (Negative Temperature Coefficient)温度上昇と共に緩やかに抵抗値が減少
PTC (Positive Temperature Coefficient)一定の温度を超えると急激に抵抗値が増大
CTR (Critical Temperature Resistor)一定の温度を超えると急激に抵抗値が減少

イメージセンサーの代表例は、「CMOS」や「CCD」で、デジカメ等に利用されています。

CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)低電力消費で高速処理、安価
CCD(Charge Coupled Device)ノイズが少なく高解像度、高価

半導体技術

DXの実現に向けたハードウェアの進化には半導体集積回路の技術進化が大きく関係しています。

3D XPoint

3D XPoint (3Dクロスポイント)は、Intel社とMicron社により開発された、立体的にメモリを高密度化する次世代メモリ技術です。

安価で高パフォーマンスを実現するメモリ技術として注目されています。

FPGA

FPGA (Field Programmable Gate Array)は、購入者・設計者が論理回路をプログラムできる集積回路です。

従来の、製造後論理回路を変更できないLSI(Large Scale Integrated)と比較して柔軟性があるとして注目されています。

MEMS

MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)は、機械要素部品・センサ・アクチュエータ・電子回路を一つのマイクロデバイスに集約化したもので、日本ではマイクロマシンとも呼ばれます。

量子コンピュータ

従来の「ノイマン型コンピュータ」と区別して、これまでと異なる構造をもち特定タスクの処理に最適化されたコンピュータを「非ノイマン型コンピュータ」といいます。

「非ノイマン型コンピュータ」の代表例は、脳神経回路の仕組みを基にした『ニューロコンピュータ』や、量子力学を応用した『量子コンピュータ』です。

量子コンピュータ

量子コンピュータ(quantum computer)は、非常に小さい半導体である「量子ドット」を基本素子とするコンピュータです。

量子力学を利用した「重ね合わせ」によるデータ処理単位を元にした並列計算により、超高速処理を実現します。

従来のコンピュータ0と1からなる「ビット」で処理
量子コンピュータ0と1が重なり合った「量子ビット」で処理

従来のコンピュータでは計算に膨大な時間を要する問題であっても、量子コンピュータでは極めて短時間で解けるようになるためさまざまな分野での応用が期待されます。

量子アニーリングマシン

量子アニーリングマシンは、「量子アニーリング(量子重ね合わせを制御することで組み合わせ最適化問題の解を求める手法)」による量子コンピュータで、2011年にD-waveが世界初の量子コンピュータとて商用化しました。

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まとめ

本記事では、DXのDigital(技術)領域から、『IoT』と『ハードウェア』について紹介しました。

DXの技術領域については、下記書籍が最もよくまとめられていますので、興味を持たれた方は、合わせてお読みすることをオススメします。

 

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