DX(=Digital Transformation)は、ビジネスや技術、双方の幅広い観点から理解する必要があります。
本記事では、DXのDigital(技術)領域から、『ロボット』と『スマートマシーン』について紹介します。
ロボットとスマートマシーン
DXの実現は、様々な技術により支えられています。
今回は、そのうち現実世界(Physical World)を支える『ロボット』と『スマートマシーン』について、おさえるべきトレンドを紹介します。
ロボットとロボット技術
ロボットは、その実体が物理か論理かにより「ハードウェアロボット」と「ソフトウェアロボット」に分類することができます。
ハードウェアロボット | 人に代わって作業を行う機械的駆動装置 |
ソフトウェアロボット | 人に代わって作業を行うコンピュータ・プログラム |
ハードウェアロボット
ハードウェアロボットは、人に代わって作業を行う駆動装置です。
自律モバイルロボット
自律モバイルロボットは、自律して移動することができるロボットです。
災害救助を目的としたレスキューロボットや、人間のコミュニケーションを再現した人型ロボット(特に二本足で歩くロボットを二足歩行ロボットといいます)など多くの産業やサービス領域に活用されています。
ソフトウェアロボット
ソフトウェアロボットは、人がコンピューターを用いて行っていた操作を記録することで、操作を自動化するプログラムです。
業務プロセスを自動化する「RPA(Robotics Process Automation)」の技術として注目されています。
進化したBOT(ボット)
BOT(ボット)は、「ROBOT(ロボット)」から派生した言葉で、従来は、事前に決められた単純処理を実行するものを指していましたが、AI技術を活用、テキストに加え音声認識技術を組み合わせ会話、処理をするなど「進化したBOT」も登場しています。
ロボット技術
ロボット技術は、ロボットが外界情報を認識するためのセンシング技術、ロボットがとる行動の制御技術、ロボットの手足を構成するアクチュエート技術などさまざまです。
ROS (Robot Operating System)
ROS(Robot Operating System)は、オープンソースで提供される、ロボット向けのメタ・オペレーションシステム(既存のOS上で稼働)です。
ジェスチャーインターフェース
ジェスチャーインターフェースは、身振り手振りの動作によってコンピュータを操作するヒューマンインターフェースです。
顔認証技術
顔認証は、人の顔情報をデータべースと照合し識別する技術です。
導入が容易で利便性に優れるため、本人確認などの用途で身近に使われるものとなっています。
スマートマシーン
スマートマシーンは、「自律型で行動し、人間の行動領域に対して侵入するもので、これまで人間にしかできないと思っていたことを実行する」ハードウェアロボットと定義されています。
特に『移動革命』をもたらす中核を担う「自動運転(陸の移動革命)」および「ドローン(空の移動革命)」がスマートマシーンの代表格と言えます。
自動運転
自動運転は、自動車が進行方向や速度などを運転者に代わり制御し、運転者が操作を行わなくとも自動走行する技術を言います。
自動車に搭載したセンサーから情報を獲得、中核にあるコントローラーが分析・判断し、環境に対応するようフィードバック(アクチュエート)する自動運転ソフトウェアのしくみにより自動運転が実現しています。
自動運転のレベル
現在AIの自動運転導入の程度に応じて0~5の6段階のレベルづけがされています。
各自動運転レベルにおける自動運転の概要は以下です。
レベル0 | 運転自動化なし | – |
レベル1 | 運転支援 | 運転支援 (ADAS) |
レベル2 | 部分運転自動化 | |
レベル3 | 条件付き運転自動化 | 自動運転 (AD) |
レベル4 | 高度運転自動化 | |
レベル5 | 完全運転自動化 |
- ADAS (Advanced Driving Assistant System:先進運転支援システム)
- AD (Autonomous Driving :自動運転システム)
いわゆる「完全自動運転」は、レベル5を指します。
ドローン
ドローンは、遠隔操作が可能な無人飛行機で、雄の蜂を意味する英単語(drone)から転じた名称です。
元々は軍事用に開発されたものですが、現在、産業用途やサービス用途など、さまざまな用途に使用されています。
自動運転・ドローンの産業用途
物流(物流の無人化)
自動運転やドローンにより物流の無人化が実現するといわれています。
無人トラック | 複数のトラックなどを自動運転で制御し列をなして走行する隊列走行 |
幹線輸送ドローン | ラストワンマイルの発送ドローン |
農業 (農業ITのドローン)
スマート農業(農業IT)の実現に伴い、既に農林水産業の現場では、農薬散布や育成状況のセンシングなど様々な目的でドローンの利活用が進んでおり、日本の農業が抱える課題に対応し、作業効率性を高めると期待されています。
まとめ
本記事では、DXのDigital(技術)領域から、『ロボット』と『スマートマシーン』について紹介しました。
DXの技術領域については、下記書籍が最もよくまとめられていますので、興味を持たれた方は、合わせてお読みすることをオススメします。
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