【心理学:健康・福祉】心や体の健康、社会的弱者を援助する社会福祉

心理学-健康・福祉キャリア&スキル

幅広い心理学のテーマの中で、『健康・福祉心理学』は、心の健康と、体の健康のための心がけや、社会的に不利な人々を援助する社会福祉を心理学的な側面からとらえたものです。

本記事では、この「健康・福祉心理学」を構成するそれぞれの領域について紹介します。

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健康・福祉

「健康心理学」は、心の健康と、体の健康のための心がけ、「福祉心理学」は社会的に不利な人々を援助する社会福祉を心理的な側面からとらえたものです。

  • 健康心理学
  • 福祉心理学

以下、それぞれの領域における主なポイントを紹介します。

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健康心理学

ストレス

生理学や医学領域では、ストレスを「反応」としてとらえます。

キャノンは、生体が脅威場面に直面すると、脅威に対応するための準備状態として『闘争-逃走反応』が生じることを示し、セリエは、生体を有害刺激にさらすと、生理的が生じることを、『汎適応症候群』として明らかにしました。

一方、心理学では、ストレスを「刺激」としてとらえ、健康との関連性について検討がなされ、ホームズレイは、ライフイベントを経験することが心身疾患のリスクを高めると主張しました。

また、ラザルスは、ストレスを「反応」と「刺激」、両者の相互作用(トランスアクショナルモデル)と提唱しています。

健康教育

健康教育が行われる場は幅広いが、特に地域社会において健康増進活動を実践するうえでの基本指針として、『プリシード・プロシードモデル』があります。

  • プリシード … 社会診断 → 疫学診断 → 行動・環境診断 → 教育・組織診断 →行政・政策診断
  • プロシード … 実行 → プロセス評価 → 影響評価 → 結果評価

ポジティブ心理学

ポジティブ心理学」は、ポジティブ感情や強みの基礎的研究に基づいた、これまで人間の弱さに焦点を当てて展開してきた心理学を、よりバランスの取れた領域とすることを目指す運動です。

人間満足感尺度などを指標とする『幸福感』や『ウェルビーイング』の研究が推進され、対象を個人から一般住民やコミュニティに拡大、セリグマンによってポジティブ心理学によるヘルス・プロモーションが説明されました。

また、働く人たちのパフォーマンスを高める要因として、「エンゲージメント」が注目されました。

燃え尽き症候群につながるような悪い仕事習慣とは対極の状態となります。
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福祉心理学

障害受容

障害の受容とは、自己の障害を日常生活との関係で客観的かつ現実的に認め、こだわりがなくなるということである、「身体的受容」、「心理的受容」、「社会的受容」の3つの側面から考えられます。

障害の受容はけして「あきらめ」ではなく、価値転換を通して、現状を受け入れ、積極体に生きていくということとされ、下記の過程があるといわれています。

ショック否認混乱解決(適応)への努力受容(適応)

価値転換の理論では、障害受容には「価値範囲の拡大」、「障害の与える影響の制限」、「身体の外見を従属的なものとする」、「比較価値から資産価値への変換」の4つが必要としています。

偏見と差別

「偏見」と「差別」、「ステレオタイプ」は広く一般に見られる現象ですが、これらは異なるものです。

態度の3要素である『認知』、『感情』、『行動』の側面からこれらの違いは以下のように定義できます。

  • 認知感情偏見(非好意的のみ)とステレオタイプ(非好意的好意的ともにある)
  • 行動差別

児童福祉施設

児童福祉法では、さまざまな児童福祉施設が規定されており、主な施設の目的は以下となります。

乳児院乳児が入院・養育、退院した者に相談その他の援助を行う
児童養護施設(乳児を除き)保護者のいない児童、虐待されている児童などが入所、養護、退所した者に相談その他の自立のための援助を行う
児童自立支援施設不良行為をなした児童や生活指導を要する児童などが入所、又は保護者の元から通わせ、個々の児童の状況に応じて指導などを行う
児童心理治療施設家庭環境、学校における交友関係などの理由により社会生活への適応が困難となった児童を入所、又は保護者の元から通わせ、必要な心理治療、援助を行う
母子生活支援施設配偶者のない女子又及びその者の看護すべき児童が入所、保護し、これらの者の自立の促進のために生活を支援、退所した者に相談その他の援助を行う
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まとめ

本記事では、心の健康と、体の健康のための心がけや、社会的に不利な人々を援助する社会福祉を心理学的な側面からとらえた『健康・福祉』のエッセンスについてまとめてみました。

興味を持たれた方は、書籍などでさらに学ばれることをオススメします。


さらに心理学を深く学ばれたい方は、『心理学検定』へのチャレンジもオススメしています。

以下の記事にて、心理学検定について詳しくまとめていますので、ご興味あれば合わせてお読みください。

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