【FP】リスク管理(多種多様な保険商品の給付条件をおさえるべし)

FP-リスク管理社会保険労務士

FP(ファイナンシャルプランナー)試験は、お金全般に関する試験ですが、学習においては各科目の全体像を把握することが重要となります。

今回は、我々が行う資産運用のベースとなる知識となる『リスク管理』について概要を紹介します。

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リスク管理

リスク管理』は、病気や事故、死亡など不測の事態に対するセーフティネットとして、「生命保険」、「損害保険」、医療保険・がん保険などの「第三の保険」について学びます。

FP-リスク(試験範囲)

以下、それぞれの項目について概要を紹介します。

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生命保険

生命保険のしくみ

生命保険』は、被保険者が死亡(または高度障害)など、不測の事態に対し、家族が経済的に困窮せず暮らせるようにするための保険です。

加入者が保険料を支払い、保険事故が起こった際に保険金を受け取るしくみですが、保険料では『大数の法則』や『収支相当の原則』が用いられています。

  • 大数の法則… 大量の事象で見ることで一定の法則を見出せること(サイコロの出目など)
  • 収支相当の原則 … 「保険料+運用益」と、「保険金+保険会社の経費」は等しくなる

生命保険の種類

死亡保障がある代表的な生命保険には、「定期保険」、「終身保険」、「養老保険」があります。

定期保険

一定の保険期間内に被保険者が死亡時(または高度障害時)に保険金が支払われる保険です。

保険料が掛け捨て(保険期間内に保険事故が起こらなかった場合保険金が支払われないため)なのが特徴です。

FP-リスク管理(定期保険)

終身保険

保障が一生続き、死亡時(または高度障害時)に保険金が支払われる保険です。

必ず保険金を受け取ることができるため、保険料は定期保険より割高です。

途中解約した場合でも、一定の解約返戻金を受け取り、老後資金や介護保障へ移行することもできます。

FP-リスク管理(終身保険)

養老保険

一定の保険期間内に被保険者が死亡時(または高度障害時)に保険金が支払われる保険です。

保険期間内に保険事故が起こらなかった際は、死亡保険金と同額の満期返戻金を受け取ることができます。

FP-リスク管理(養老保険)

個人年金保険の種類

個人年金保険は、一定の年齢に達すると年金を受け取ることができる保険です。

年金の受け取り方によって「終身年金」、「確定年金」、「有期年金」があります。

終身年金

被保険者が生きている限り年金が支払われます。

確定年金や有期年金と比較すると保険料は割高です。

FP-リスク管理(終身年金)

確定年金

契約時に定めた支払期間中は、被保険者の生死にかかわらず年金が支払われます。

支払期間中に被保険者が死亡した際は、遺族が年金を受け取ります。

FP-リスク管理(確定年金)

有期年金

契約時に定めた支払期間中に、被保険者が生存していることを条件に年金が支払われます。

支払期間中に被保険者が死亡した際は、年金の支払は終了します。

FP-リスク管理(有期年金)

生命保険と税金

生命保険における税金は、保険料に対する課税と、保険金に対する課税の2つに分類されます。

保険料に対する課税

支払保険料は、所得税・住民税の生命保険料控除の対象となります。

生命保険料控除には下記の3種類存在し、それぞれ最高40,000円まで控除できます(合計で12万円

  • 一般の生命保険料控除
  • 個人年金保険料控除
  • 介護医療保険料控除

保険金に対する課税

個人が死亡保険金を受け取った際の課税は、契約者・被保険者・保険金受取人の関係により変わります。

契約者被保険者受取人課税
相続税(非課税限度額=500万円×法定相続人数)
第三者相続税(非課税枠無し)
所得税(一時所得=(受取保険金-保険料-50万円)×1/2)
贈与税(受取保険金-110万円)
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損害保険

損害保険のしくみ

損害保険』は、事故で被った被害に対し、人・モノ・賠償責任などを補償する保険です。

生命保険の保険金は定額払い(契約で決められた額が支払われる)である一方、損害保険実損払い(実際に損害を受けた額が支払われる)です。

保険料は『大数の法則』や『収支相当の原則』に加え、『給付・反対給付均等の法則』や『利得禁止の原則』が用いられています。

  • 給付・反対給付均等の法則… 保険料が危険度に応じて算出される
  • 利得禁止の原則 … 被保険者は保険金受取りにより利得を得てはいけない

火災保険

火災保険』は、火災などによって生じた建物・家財の損害を補償する保険です。

実際には火災のみならず、台風・大雪・落雷などの自然損害なども補償されます。

地震保険

地震保険』は、火災保険を主契約とする特約の位置づけとなります。

火災保険では台風・大雪・落雷などの自然災害への補償はされるものの、地震・噴火・津波およびこれらを原因とした火災は保障されず、地震保険の付保によって保障されます。

自動車保険

自動車保険』は、自動車事故による相手や搭乗者の死亡・障害、器物損壊による損害賠償、自身のケガなどの補償を行う保険です。

強制加入の自賠責保険

「自賠責保険」は、自賠法により加入が義務付けられている自動車保険で、補償対象は対人補償(死亡・障害・後遺障害など)に限られています。

自賠責保険・対人補償
・支払限度額あり

任意加入の自動車保険

任意加入の自動車保険は、損害保険会社等が販売する自動車保険で、自賠責保険では保障されない範囲を対象とした保険です。

対人賠償保険・対人補償
・自賠責保険の限度額を超過した部分の支払い
体物補償保険・他人の財物(建物・自動車など)が対象
搭乗者傷害保険・自動車の搭乗者(運転者を含む)が対象
・定額
自損事故保険・単独事故など相手から補償されない身体傷害が対象
・定額
車両保険・偶然の事故による自動車損害が対象
・特約で地震・噴火・津波による損害を補償
それぞれの自動車保険が、何を対象とした保険であるかおさえましょう。

FP-リスク管理(自動車保険)

損害保険と税金

損害保険における税金は、保険料に対する課税と、保険金に対する課税の2つに分類されます。

保険料に対する課税

地震保険の保険料は、所得税・住民税の地震保険料控除の対象となります。

控除額は、所得税が最高50,000円、住民税が最高25,000円です。

保険金に対する課税

損害保険の死亡保険金にかかる課税は、生命保険の課税と同様です。

一方、入院給付金などは、損失補填の意味合いを持つため非課税となります。

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第三分野の保険

いわゆる第三分野とは、『医療保険』や『がん保険』など、病気やケガによる入院・手術のリスクに備える保険です。

医療保険

医療保険の基本的な補償は以下です。

  • 入院給付金 … 入院日数に応じて給付金が支払われる(1日あたり10,000円など)
  • 手術給付金 … 1日あたりの入院給付金額に既定の倍率(10倍、20倍など)をかけた給付金が支払われる

がん保険

がん保険は、がんによる入院や手術に特化した保険で、基本的な補償は以下です。

  • 診断給付金 … がん診断された際に支払われる
  • 入院給付金 … 入院日数に応じて給付金が支払われる(支払い日数限度無し
  • 手術給付金 … 手術の種類に応じた給付金が支払われる
がん保険には加入後3カ月の「待機期間」が設けられており、その期間にがんと診断されても給付金は支払われない旨注意が必要です。
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まとめ

今回は『リスク管理』について紹介しました。

FP試験では多彩なしくみや制度を学ぶため、計算方法や制度詳細にフォーカスしてしまいがちですが、しくみや制度の位置づけや全体像を把握することが重要になります。

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